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テスラ モデルYを購入しようと調べていると、必ずといっていいほど目にするのが「リセールが悪い」という噂です。SNSや中古車関連のサイトでも、「テスラは値下がりが激しい」「モデルYは残価率が低い」「下取り価格に驚いた」といったネガティブな声を目にした方も多いのではないでしょうか。私自身もモデルYの購入を検討していた際、まさにその情報に不安を感じたひとりです。
では実際、テスラ モデルYのリセールは本当に“悪い”のでしょうか?それとも、一部のタイミングや条件によるものに過ぎないのでしょうか?2024年には日本国内でも大幅値下げが実施され、これが中古車市場にも大きな波紋を広げました。その影響で、買取価格が思わぬ水準まで下がったこともあり、「テスラ モデルYはやめたほうがいいのでは?」と考える人が増えたのは確かです。
ただし、テスラ モデルYのリセールを語る上で、単純な価格の下落だけを見るのはやや片手落ちです。そもそも電気自動車(EV)市場自体が急速に成長しており、その中でもモデルYは世界で最も売れているEVの一つ。しかもOTA(無線アップデート)によってソフト面での進化が続くという点では、他の車種にはない強みも持っています。
さらに、中古EV市場はまだ発展途上であり、買取業者側もバッテリーの状態評価や価格付けの基準が明確ではありません。そのため、下取り額やリセール相場にバラつきがあり、“適正に評価されていない”ケースも多々あります。
この記事では、「テスラ モデルYのリセールは本当に悪いのか?」という疑問に対して、残価率・下取り価格・値下げの影響・ユーザーの体験談など、あらゆる角度から徹底検証していきます。また、リセールを少しでも有利にするための考え方や、高く売るコツについても具体的に解説します。
この記事でわかること
・テスラ モデルYのリセール率・残価率の実態
・なぜ「値下がりが激しい」と言われるのか、その背景
・実際に後悔した人の声と、よくある選び方の失敗例
・リセールを有利にする購入・売却のタイミングや戦略
・リセールを超える、モデルYの本質的な価値とは?
テスラ モデルY リセールが悪いって本当?値落ちリスクの正体を解説

「テスラはリセールが悪い」といった情報は、モデルYの購入を検討している人にとって気になるポイントでしょう。SNSや中古車市場の口コミでは、「新車価格からの値落ちが大きすぎる」「査定額にがっかりした」という声も見受けられ、特に2023〜2024年の大幅値下げの影響で“モデルY離れ”を懸念する人も増えました。
しかしながら、そうした声がすべてのユーザーに当てはまるわけではありません。値下がり幅が大きく見えるのは事実ですが、EV特有の査定基準や市場形成の途中段階であることも、判断を難しくしている原因です。
このセクションでは、「テスラ モデルYのリセールは本当に悪いのか?」をテーマに、客観的なデータと実際の市場動向をもとにリセールリスクの正体を紐解いていきます。
・テスラ モデルYの残価率は他社EVと比べて高い?低い?
→「残価率」に注目し、ガソリン車・他EVとの比較でモデルYのポジションを明らかに
・下取り価格の実態|2024年〜2025年の相場動向と傾向
→ 実際の査定価格事例や直近の市場価格をベースに、値動きの背景を分析
・大幅値下げが中古価格に与えたインパクトとは?
→ 公式値下げがリセールにどう影響したのかをデータ・口コミを交えて解説
・なぜリセールが悪いと言われるのか?主な原因を整理
→ 車両価格の変動、サブスク普及、バッテリー耐久性など多角的な理由を整理
・実際に「後悔した」オーナーの共通点とは?
→ モデルYを手放して後悔したユーザーの声を紹介。購入タイミングや期待値のズレが焦点
テスラ モデルYの残価率は他社EVと比べて高い?低い?
「残価率」は、購入価格に対して売却時にどれだけの価値が残るかを示す指標であり、リセールの良し悪しを判断する上での重要な基準です。テスラ モデルYの残価率については賛否両論ありますが、**2023年〜2024年にかけては平均的に50〜55%前後(3年落ち想定)**といわれており、ガソリンSUVと比べるとやや劣る数値となっています。
一方で、EV全体の平均残価率と比較すると、モデルYは決して極端に低いわけではありません。例えば、日産アリアやヒョンデIONIQ5といった競合EVの残価率は40〜50%台が一般的で、モデルYはその中でも**“相対的には高め”**という位置づけにあります。
ただし、モデルYは新車価格が変動しやすいという特性があります。実際、2024年には日本国内で100万円以上の値下げが実施され、その直後から中古価格も連動して下落。このタイミングで新車を購入した人は「数ヶ月で100万円価値が落ちた」と感じてしまうのも無理はありません。つまり、「残価率が低い」というよりも、「価格が不安定で読みにくい」のが実情です。
また、テスラはリース契約時に設定される残価保証(バルーン支払い)にも消極的で、トヨタのように残価設定型ローンが一般的ではありません。そのため「買い取り前提」の購入者が多く、再販市場における流通と価格形成がまだ成熟していないという背景も、残価率の評価が定まりにくい理由の一つです。
私自身、他社EVとモデルYの査定を比較した経験がありますが、年式・距離・状態が同じでも買取価格は業者によって大きくばらつきました。これは、テスラ特有のソフトウェア更新やバッテリー劣化評価が統一されていないことが影響していると感じています。
つまり、「モデルYは残価率が低い」というよりも、「評価方法と市場の成熟度に不安定要素がある」というのが実態に近い印象です。今後EV市場が整備され、査定基準が標準化されていけば、モデルYのリセールもより安定していく可能性は十分にあるでしょう。
下取り価格の実態|2024年〜2025年の相場動向と傾向
テスラ モデルYの下取り価格は、ここ1〜2年で大きく変動しています。特に2024年に行われた新車価格の大幅値下げが中古市場に与えた影響は大きく、2022〜2023年式のモデルYを下取りに出したユーザーの多くが「想像以上に安い査定額だった」と感じています。
実際、2023年に約700万円で購入したモデルYパフォーマンスが、2024年にディーラー下取りで350〜400万円前後という事例もあり、新車価格からの下落幅に驚く声が広がりました。これは下取りという形での売却が、テスラ特有の価格変動リスクをモロに受けた形と言えます。
また、モデルYは通常の国産車と異なり、テスラ直販モデルのため正規ディーラーによる下取りが存在せず、中古車業者や輸入車ディーラー、買取専門店での査定が主なルートになります。そのため、下取り価格は業者の理解度や販売ルートによってばらつきが大きく、「A社では350万円、B社では420万円」といった差が生じやすいのが現状です。
2025年にかけては、中古EV市場自体の流通量が増加傾向にあり、モデルYのような人気車種でも価格競争が激しくなりつつあります。特に新車の在庫が潤沢な今、ユーザー側の交渉力が弱くなっているタイミングでは、想定より安い価格を提示されやすいという注意点があります。
一方で、バッテリー状態が良好な個体や、走行距離が少ない車両は高値が付きやすく、買取専門店を数社比較すれば、納得のいく価格が提示される可能性も十分あります。実際、私の知人はモデルYロングレンジ(走行1.2万km)を2024年に売却し、ディーラー下取りの80万円上の価格で手放すことに成功しました。
要するに、テスラ モデルYの下取り価格は「悪い」と感じる場面が多いものの、それは一括査定や市場把握をしないまま売ってしまった結果であるケースも多く、売却ルートを工夫すれば評価されやすい車でもあるということです。
大幅値下げが中古価格に与えたインパクトとは?
テスラ モデルYのリセールにおいて、2024年に行われた新車価格の大幅値下げは大きな転機でした。この値下げは、単なるキャンペーンレベルではなく、数十万円〜最大100万円以上の恒常的な値下げであり、新車価格と中古車価格の“逆転現象”を一時的に生んだほどです。
たとえば、2023年に700万円近くで購入されたモデルYパフォーマンスが、わずか1年後には新車で620万円台になっており、中古で買うメリットが薄れる結果となりました。こうした事態は当然ながら中古相場にも連動し、既存の中古在庫の値崩れが一気に進行。結果として、多くのオーナーが「リセールが悪い」「下取りが安すぎる」と感じる要因となったのです。
値下げの影響は特に初期のロングレンジモデルや高年式車両に強く表れました。「新車価格とほぼ同額で中古を買った直後に値下げが発表された」という声もあり、実際に30〜50万円分の差損を感じた人も少なくありません。このような現象は、ガソリン車ではあまり見られないテスラ特有の価格改定スタイルによるものです。
加えて、テスラはOTA(無線アップデート)で新機能を追加できる車であるため、「中古でも新車と機能差が小さい」という従来の常識が通用しません。その結果、新車値下げによる影響がよりダイレクトに中古価格へ波及するのです。
中古車業者側もこの価格下落を受けて、モデルYの買取価格を保守的に設定する傾向が強まりました。査定時には「今後また値下げされる可能性があるから」といった理由で、リスク分を差し引いた金額を提示されることもあります。
とはいえ、すべてのモデルYが同じように値崩れしているわけではありません。人気色(白・黒)や低走行・無事故車両、認定中古枠に近い個体であれば、高めの査定額がつくことも十分にあります。大幅値下げはインパクトこそ大きいものの、適正に評価されるルートを選べば一定のリセールは確保可能です。
今後もテスラは価格戦略を柔軟に変えてくる可能性が高く、「値下げがリセールにどう響くか?」は、引き続きモデルYを選ぶ上での重要な検討材料になるでしょう。
なぜリセールが悪いと言われるのか?主な原因を整理
「テスラ モデルYはリセールが悪い」という声が目立つようになった背景には、いくつかの明確な理由があります。それは単なる人気の問題ではなく、EVという車種の特性とテスラ独自の販売戦略に起因するものです。ここでは、リセールの評価が低くなりがちな主要な原因を整理します。
まず最も大きな要因は、やはり頻繁な新車価格の改定です。テスラは在庫や為替、世界的な販売戦略に応じて大胆な値下げを行うことで知られており、2024年にも複数回の価格調整がありました。これによって「買った瞬間に価値が下がる」という印象を持たれやすくなり、リセールに対する不安感が増しています。
次に、中古車市場での評価基準の曖昧さも大きな課題です。特にEVの場合、バッテリーの劣化具合や充電履歴、ソフトウェアバージョンなどが価格に影響しますが、これらを明確に評価できる査定体制が整っていないため、「EVはよく分からないから低めにつけておこう」という流れになりがちです。
さらに、モデルYのようなEVは需要と供給のバランスがまだ安定していないという問題もあります。急速に普及が進んでいるとはいえ、地方ではまだ充電インフラが十分でない地域も多く、中古車としての流通が都市部に偏りがち。そのため、再販先が限定されることで買取業者も価格を抑えざるを得ないのが実情です。
また、テスラはサブスク的なアップデート(FSDなど)を個人に紐づけて提供しているため、売却時に付加価値として評価されにくい点も影響しています。ソフトウェアは車に残っても再販価値として反映されにくく、「装備の割に安く見積もられた」と感じるケースもあるでしょう。
こうした複合的な要因が重なり、「テスラ モデルY=リセールが悪い」という印象が定着しているのです。ですが実際には、これらの背景を理解し、売り方やタイミングを見極めることで、ある程度コントロール可能な部分も少なくありません。
実際に「後悔した」オーナーの共通点とは?
テスラ モデルYに乗ったことを「後悔した」と語るオーナーには、いくつかの共通するパターンがあります。リセールだけでなく、EV特有の使用感や、テスラ独自のシステムに慣れないことで期待とのギャップを感じた人が多く見受けられます。
まず多いのは、リセールを重視して短期での乗り換えを前提にしていた人です。モデルYは長期保有に向いた車であり、1〜2年で売却しようとすると新車価格の値下げや市場価格の乱高下に直面しやすく、「思ったより損をした」と感じることになります。EV市場が成熟途上にある今の段階では、短期リセールにはリスクが伴います。
次に、購入時の期待値が高すぎた人も後悔しやすい傾向にあります。モデルYは高性能で先進的なEVですが、完璧な万能車ではありません。ソフトウェアアップデートが頻繁で仕様が変わることに戸惑ったり、オートパイロットやFSD(完全自動運転)の実用性に「思っていたほどではなかった」とがっかりするケースもあります。
また、地方在住で充電インフラが整っていない人は、想像以上に不便を感じることも。スーパーチャージャーが近くにない場合、長距離移動や充電待ちによるストレスが積もりやすく、「思っていたEV生活と違った」と感じてしまう要因になりやすいです。
さらに、「サポートや故障対応が不安だった」という声もあります。テスラは直販モデルのため、従来のディーラー網とは異なる対応体制であり、万が一のトラブル時に「連絡が取りづらい」「対応に時間がかかる」と感じたユーザーが不安を抱き、ネガティブな評価につながったケースも見られます。
このように、テスラ モデルYを後悔した人の多くは、購入前の情報収集不足や、自身の生活スタイルとのズレが原因になっています。逆にいえば、それらを理解したうえで導入すれば、後悔せずに楽しめる可能性は十分にあるということです。
テスラ モデルY リセールを有利にする戦略と考え方

テスラ モデルYはリセールに関して不安を抱かれがちですが、すべてのオーナーが損をしているわけではありません。実際には、選び方や売り方次第でリセールの損失を最小限に抑えたり、想定以上の価格で手放すことに成功した例もあります。
EV市場はまだ成熟過程にあり、中古車相場やバッテリー評価の仕組みも発展途上です。だからこそ、モデルYに関しても“買い方のコツ”や“売却戦略”を意識することが、将来の後悔を防ぐ鍵になります。
このセクションでは、リセールに強い仕様の選び方から、売却時期、チャネルごとの違い、さらには“リセール以外の価値”をどう捉えるかまで、モデルYをより有利に活用するための具体策をお伝えします。
・リセールを見越して選ぶならどのグレード・仕様が有利?
→ ロングレンジ vs パフォーマンス、カラーやホイールの人気差なども含めて
・最適な売却タイミングはいつ?モデルチェンジと市場の見極め方
→ 値下がりが加速する時期・新型発表の影響を予測して、売り時を考察
・リセールに強いEVの特徴とは?モデルYの評価を再確認
→ 他のEVと比較し、モデルYが評価されるポイント・再販性の高さを分析
・高く売るには?ディーラー下取りと買取専門店の差を理解する
→ 売却チャネルごとの査定差や、一括見積もりの活用方法を紹介
・リセールだけで判断しない!モデルYを選ぶ本当の価値とは
→ リセールは一要素でしかないという視点から、長期所有のメリットを語る
リセールを見越して選ぶならどのグレード・仕様が有利?
モデルYには大きく分けて「RWD(後輪駆動)」「ロングレンジAWD」「パフォーマンスAWD」の3つのグレードがありますが、リセールを意識するなら“売れ筋=再販しやすい仕様”を選ぶことが鉄則です。
実際の買取市場や中古流通を見ると、**リセールに最も強いのは「ロングレンジAWD」**です。理由は明快で、航続距離と走行性能のバランスが取れており、多くのユーザーにとって“ちょうどいい選択”だからです。RWDは価格が安いものの航続距離が短く、パフォーマンスAWDは新車価格が高いため、中古での需要がやや限られます。
また、ボディカラーにも差が出ます。テスラの無料カラーである「パールホワイトマルチコート」は圧倒的な人気を誇り、白・黒以外のカラーは中古車市場で選ばれにくい傾向があります。個性的なカラーを好む方も多いとは思いますが、リセールを考えるなら“無難で売りやすい色”を選ぶのが得策です。
ホイールやオプション構成も要注意ポイントです。20インチのインダクションホイールなど、大径ホイール付きの車両は査定でマイナス評価される場合もあります。理由は、タイヤの消耗が早く、乗り心地が硬くなるため中古市場での好みが分かれるからです。
内装に関しても、ブラックインテリアはリセールの際に安定感があります。ホワイトインテリアはおしゃれですが、「汚れやすい」「手入れが面倒」という理由で敬遠されることもあり、リセール目的で選ぶには慎重さが求められます。
要するに、「高く売れるモデルY」とは、最も需要が多い仕様に近い構成であることがカギ。購入前に“自分の好み”だけでなく、“将来の買い手が何を求めるか”という視点を持つことが、賢い選び方といえるでしょう。
最適な売却タイミングはいつ?モデルチェンジと市場の見極め方
テスラ モデルYのリセールを少しでも有利にしたいなら、「いつ売るか」=タイミングの見極めが非常に重要です。モデルYは他の車種と比べて価格変動が大きいため、売却時期によって数十万円単位の差が出ることも珍しくありません。
まず基本となるのは、**“値下げ発表の前に売る”**という原則です。2023年〜2024年のように大幅な価格改定があると、中古市場もすぐに反応して価格が下落します。そのため、テスラが今後値下げを行いそうなタイミング(年度末・四半期決算前など)には要注意。販売戦略や海外での価格動向にアンテナを張っておくと、先手を打った売却が可能になります。
次に意識したいのは、モデルチェンジ・フェイスリフトの影響です。テスラは明確な「○代目」というモデル構成ではないものの、マイナーアップデートや装備変更が突如発表されます。たとえばライトの形状や内装デザインが少し変わるだけでも、「旧型扱い」とされてリセールに影響が出るケースがあります。
市場が安定しているときには、**1回目の車検(3年目)直前が売却の“狙い目”**とされます。これは「新車保証がまだ残っている」状態で売れるため、中古車市場での印象が良くなり、高値がつきやすいためです。実際、私の知人は2年10ヶ月で手放したモデルYを、ほぼ新車の70%以上の価格で売却していました。
また、補助金の影響も見逃せません。EV補助金が手厚い時期は新車需要が一気に高まり、中古車市場が冷え込む傾向にあります。一方で補助金が縮小されたタイミングでは、中古の割安感が際立ち、モデルYの需要が復活する可能性もあるため、ニュースや国の方針にも注目しておくとよいでしょう。
最後に、「使い倒す前提」で乗るつもりなら、焦って早期売却するよりも長く乗る中で最適な時期をじっくり探るという考え方も一つです。OTAによるアップデートや性能改善が継続するモデルYなら、時間が経っても陳腐化しづらく、焦らずとも価値を保ちやすいという強みがあります。
リセールに強いEVの特徴とは?モデルYの評価を再確認
EV(電気自動車)は、まだ中古市場での評価基準が確立されておらず、「リセールが読みにくい」と感じる人も多いジャンルです。しかし、その中でもリセールが安定している車種にはいくつかの共通点があります。そして、テスラ モデルYはその条件を多く満たしている車であることも事実です。
まず、リセールに強いEVの大きな特徴は、「ブランド力と普及率のバランス」です。テスラは世界最大のEVメーカーであり、モデルYは2023年に世界で最も売れた乗用車という実績を持つグローバルモデル。中古車市場でも「EVと言えばテスラ」という認知度が高いため、“次の買い手がつきやすい”=売りやすい車という前提がすでに備わっています。
次に重要なのが、航続距離と実用性のバランスです。モデルYロングレンジは500km前後の航続距離を持ち、ファミリー層でも十分なサイズと荷室容量を備えています。この“ファーストカーとして使えるEV”という立ち位置は、日産リーフや軽EVよりも高く評価されやすく、結果として中古市場でも需要が安定しやすくなります。
さらに、テスラならではのOTA(無線アップデート)で車が進化し続ける仕組みも、他社にはない武器です。たとえ年式が古くなっても、機能面で最新モデルと近い状態を保てるため、中古車としての魅力が損なわれにくいのです。この“時間が経っても価値が落ちにくいソフト面の進化”は、他のEVにはない強みといえるでしょう。
もちろん、バッテリーの劣化が懸念されるEV全体の傾向はあるものの、モデルYのバッテリーは耐久性の面でも比較的高く評価されており、適切に使っていればリセールのネガティブ要因にはなりにくいとされています。
要するに、テスラ モデルYは「リセールに強いEVの条件」を多数兼ね備えたモデルであり、市場の成熟が進むにつれてその価値がさらに見直される可能性があります。現時点での不安定さはあるものの、それを乗り越えるだけの土台があるという点で、ポテンシャルの高いEVだといえるでしょう。
高く売るには?ディーラー下取りと買取専門店の差を理解する
テスラ モデルYを少しでも高く売りたいと考えるなら、「どこで売るか」が非常に重要です。多くの人が新車購入時にディーラー(あるいは正規販売店)で下取りを依頼しますが、テスラの場合、そもそも伝統的なディーラーが存在しない直販モデルであるため、下取り=買取業者との交渉が基本になります。
ここで知っておきたいのが、テスラ認定の買い取りでは必ずしも高値がつくとは限らないという事実です。テスラの下取り見積もりはWeb経由で簡単に出せる便利さがありますが、市場相場を反映していない場合もあり、一般的に「やや控えめな金額」が出される傾向にあります。実際に私の知人も、テスラ公式で下取り額を出した後、他社で約40万円高く買い取られたケースがありました。
そこで活用したいのが、EVに詳しい買取専門店や一括査定サービスです。モデルYは一般的な中古車と違い、バッテリーの状態やソフトウェアのバージョン、FSD(完全自動運転機能)の有無といった要素も査定に影響します。そのため、EVや輸入車の取り扱い実績が豊富な業者を選ぶことで、より適正な評価が得られやすくなります。
特に、複数の買取業者に同時に査定依頼できる**一括査定サービス(カーセンサー、MOTA、ナビクルなど)**を使えば、価格競争が発生しやすく、思わぬ高額査定が提示されることもあります。売却時期に余裕がある場合は、こうしたサービスを使って“相場感”を掴むのがおすすめです。
また、テスラのようなEVは買取業者によって価値の見方に差が出やすいのが特徴です。たとえば、同じモデルYでもFSDオプションの有無やホイールサイズ、カラーなどで20〜50万円以上の査定差が出ることもあります。「どうせどこで売っても同じ」と思わず、最低でも3社以上に見積もりを取ることが、納得できる売却の第一歩です。
要するに、テスラ モデルYを高く売るには、「どこで・誰に」売るかを意識すること。ディーラー的な感覚で即決せず、情報を比較・活用することが最終的なリセール満足度を大きく左右するポイントになります。
リセールだけで判断しない!モデルYを選ぶ本当の価値とは
テスラ モデルYに限らず、車のリセールは大きな判断基準の一つです。しかし、リセールの数字だけを見て車選びをすると、本来得られるはずだった満足感や価値を見逃してしまうことも少なくありません。特にモデルYのようなEVは、“売るときの損得”以上に、“乗っている間に得られる価値”の方がずっと大きいと私は感じています。
まず、モデルYは単なる移動手段ではなく、テクノロジーとライフスタイルを融合させたプロダクトです。OTAアップデートで車が常に進化し続ける体験や、オートパイロットによる半自動運転、アプリからの遠隔操作や操作レスのキー機能など、他の車では得られない未来的なユーザー体験があります。これは毎日の運転に“楽しさ”や“快適さ”という無形の価値を提供してくれる要素です。
また、充電のたびにガソリンスタンドへ行く必要がない生活や、ワンペダルドライブの快適さ、静かな車内など、EVならではの生活スタイルの変化も見逃せません。こうした日々のストレス軽減は金額換算しづらいものの、多くのオーナーが「もうガソリン車には戻れない」と感じる理由の一つになっています。
さらに、テスラというブランドは、単なる車メーカーではなく**「時代の先端にいる感覚」**を提供してくれる存在でもあります。環境意識の高さ、テクノロジー志向、ミニマルなデザイン、そしてイーロン・マスクのビジョンに共感する人にとって、モデルYは“車以上の意味”を持つのです。
もちろん、リセールが悪ければ損をすることもあります。けれども、モデルYは単なる資産ではなく“経験そのもの”を買う車だと考えると、リセールだけで判断するのはもったいないと感じます。私自身、「今の暮らしが豊かになるなら、それで十分だ」と思える一台でした。
だからこそ、リセールの数字を確認したうえで、それ以上に**「自分の価値観とモデルYが合っているか」**を見極めることこそが、後悔のない選択につながるのではないでしょうか。
まとめ:テスラ モデルY リセールの真実|“損したくない人”が知っておくべき視点とは?
テスラ モデルYのリセールに対して「悪い」という印象を持つ人は少なくありません。たしかに、2024年の大幅値下げやEV市場全体の不安定さを背景に、短期で手放したオーナーの中には「想定より大きく損をした」と感じるケースもありました。
しかし、実際にはモデルYが他のEVと比べて特別にリセールが悪いわけではなく、市場の仕組みや売却のタイミング、仕様選びの違いが大きく影響しているというのが本質です。再販しやすいグレードやカラーを選び、適切なタイミングで、適切な売却ルートを選べば、十分にリセールをコントロールすることも可能です。
さらに、モデルYの価値は“売るときの数字”だけでは測れません。OTAで進化し続けるソフトウェア、快適なEV生活、先進的なドライビング体験など、日々の暮らしの中で得られるメリットは非常に大きく、「リセールで少し損しても、それ以上に得ている」と感じる人も多いのが実情です。
損を避けたい気持ちは誰にでもあるものですが、それだけでクルマを選ぶと本当に自分に合った一台を見逃すかもしれません。リセールの真実を理解し、自分の価値観と照らし合わせて選ぶこと──それこそが、モデルYを後悔せずに選ぶためのもっとも大切な視点なのではないでしょうか。