新型プレリュードがプリウスみたい?似てると言われる理由と評価の真相を検証!

新型プレリュードがプリウスみたい?似てると言われる理由と評価の真相を検証!

HONDA公式画像:引用

「え?これ新型プレリュード?なんかプリウスみたいじゃない?」
この言葉、あなたもどこかで目にしたかもしれません。SNSや動画コメント欄、掲示板などでよく見かけるようになったこの感想。2023年のジャパンモビリティショーで新型プレリュードが初披露された直後から、「プリウス感がすごい」「ホンダらしさが消えた」などの声が飛び交い、話題となりました。

結論から言えば、確かに新型プレリュードはパッと見で「プリウスみたい」と感じる人が多いのも無理はありません。特にフロントマスクのシャープな印象や流れるようなルーフライン、そして全体のシルエットに、どことなく“新型プリウス”と共通する雰囲気が漂っているのは事実です。
私も初めて画像を見たとき、「これはホンダなの? トヨタっぽくない?」と少し戸惑ったのを覚えています。

しかし、その印象だけで「プレリュード=プリウスのパクリ」「カッコ悪い」「ダサい」と片付けてしまうのは、正直もったいないと感じています。デザインが似て見えるのには明確な理由がありますし、プレリュードが目指すコンセプトや中身はプリウスとはまったく別物。表面的な比較だけで評価するのは、このモデルの本質を見落としてしまう危険性があります。

この記事では、なぜ「新型プレリュードはプリウスみたい」と言われるのか、具体的なデザインの共通点を洗い出しながら、その背景にあるホンダの狙いや思想についても深掘りしていきます。また、「ダサい」と言われている理由や、実際に見た印象のギャップ、そしてそれでもなおプレリュードに惹かれる人たちの声など、ネットの評判と筆者自身の視点を交えて多角的に解説していきます。

新型プレリュードに興味はあるけど、「プリウスっぽいのがちょっと気になる…」という方にこそ読んでほしい内容です。見た目の第一印象だけで判断する前に、一度じっくりとこのクルマの“本当の姿”を一緒に見つめ直してみませんか?

この記事のポイント
・なぜ「新型プレリュードはプリウスみたい」と言われているのか、その具体的な理由
・デザインが似て見える背景と、ホンダが採った開発・スタイリングの狙い
・「パクリ」「ダサい」といった否定的な意見の真相と、実際の評価とのギャップ
・プリウスとの違いや、プレリュードらしさがどこに残されているか
・新型プレリュードに惹かれる人たちの本音と、再評価されつつある魅力

wAtARu-車好きデザイナー[カーデザイン解説Ch.]:引用元

目次

新型プレリュードは本当にプリウスみたい?ネット上の声とその背景

新型プレリュードは本当にプリウスみたい?ネット上の声とその背景

ラグジュアリードリームイメージ画像

ホンダの名車「プレリュード」が電動化時代に復活を果たす──。2023年のジャパンモビリティショーでお披露目された新型プレリュードは、かつてのプレリュードを知るファンはもちろん、最近のホンダ車に注目している層からも大きな関心を集めました。

しかし、その注目度と同時に目立ち始めたのが、SNSや掲示板、YouTubeのコメント欄などでよく見かける「プリウスみたい」という声です。X(旧Twitter)では「新型プレリュード、パッと見プリウスかと思った」「クラウンとプリウスの間みたいなデザイン」などの意見が多数投稿されており、デザインの方向性に対して驚きや違和感を覚える人が多いことがわかります。

では、なぜ「プリウスみたい」と感じる人が多いのでしょうか?
その大きな理由のひとつは、フロントマスクやシルエットにあります。新型プレリュードは、薄型のヘッドライトとスラントノーズ、そして流れるようなルーフラインを持ち、ボディ全体に空力を意識した滑らかな造形が施されています。これらはまさに、トヨタの現行プリウス(60系)と共通する要素であり、“一瞬見ただけでは区別がつきにくい”という印象につながっているのです。

特にボンネットからバンパーまでのライン処理、ヘッドライト周りの角度や処理、そして車高を低く見せるサイドラインなどが似ていることで、視覚的なイメージが重なることは否定できません。加えて、プリウスと同じような白やパール系のボディカラーが展示されていたことも、“なおさら似て見える”原因になっているとも考えられます。

ただし、それは「ホンダがトヨタをパクった」という単純な話ではありません。近年の自動車デザインは、環境性能や空力性能が最重要視されるようになり、どうしても似たようなフォルムに集約されていく傾向があります。これはどのメーカーでも同じで、トヨタに限らずマツダや日産、さらには輸入車でさえ“やや似た印象”を持つことは珍しくありません。つまり、“プリウスみたい”と感じるのは、個別の模倣というよりも、「この時代の最適解が似てくる」ことの現れなのです。

とはいえ、見た目が似ていると、どうしてもネガティブに捉える人が出てきてしまうのも事実。「昔のプレリュードはもっと個性があったのに」「ホンダはトヨタと同じ方向に行くのか」など、期待していた“らしさ”と違って見えることが失望感につながっているケースもあります。

私自身もプレリュードという名前に、もう少し「クーペらしいエッジの効いたスタイリング」を期待していたので、最初の印象は正直、物足りなさを感じました。でも、画像や動画で見る印象と、実際にショールームで実物を見たときの感覚には明確な差があり、「これはプリウスじゃない」と納得できた部分もありました。

こうしてみると、「新型プレリュードがプリウスみたい」と言われる背景には、表層的な見た目の類似だけでなく、名前に対する期待値とのギャップや、時代の空気感が反映されているとも言えそうです。

新型プレリュードのデザインに寄せられた第一印象とは?
→ SNS・掲示板・YouTubeコメントでの「プリウス感ある」声を紹介
「プリウスに似てる」と言われる具体的なポイントはどこ?
→ フロントマスク、ヘッドライト形状、流線的なルーフラインなどを図解風に説明
プレリュードの歴代モデルと比較してみるとどうか?
→ 初代~5代目との比較で「らしさ」の変化に注目
プリウスとの“共通点”は実はトヨタとホンダのトレンド?
→ 空力重視デザイン、サステナブル意識の共通項
「パクリ」と感じるのはなぜ?人が“似てる”と感じる心理とは
→ 色、フォルム、フレーム構造の印象論とデザイン認知の話

新型プレリュードのデザインに寄せられた第一印象とは?

新型プレリュードのコンセプトカーが発表された直後、最も多く飛び交った声が「これってプリウスじゃない?」というものでした。
SNSを中心に、クルマ好きはもちろん、かつてのプレリュードファンたちからもさまざまな反応が寄せられましたが、その中でも「期待していたものと違った」「なんでプリウスっぽいの?」といった意見がとくに目立ちました。

たとえば、X(旧Twitter)では「せっかくのプレリュード復活なのに見た目がプリウスすぎて萎えた」といった声や、「横顔が60系プリウスにそっくり」「リアの処理がクラウンと混ざった感じ」など、具体的なデザイン要素に言及する投稿が続出。
また、YouTubeでもレビュー系のチャンネルに寄せられたコメントを見ると、「フロントマスクが完全にプリウス」「ホンダ車に見えない」「歴代プレリュードの面影がない」といった意見が並び、初見で戸惑ったユーザーの多さが伝わってきます。

こうした反応は、裏を返せば「新型プレリュードには強い期待が寄せられていた」証拠でもあります。80〜90年代を知る世代にとってプレリュードは、“流麗なクーペの代表格”とも言える存在でした。そのイメージを持っている人にとって、今回の新型は「ちょっと未来感が強すぎる」「エコカーっぽい」と映ったのかもしれません。

また、「プレリュード=スポーティでスタイリッシュ」というブランドイメージと、今回のやや丸みを帯びたデザインとのギャップも、違和感の根源の一つでしょう。
実際、5代目プレリュード(BB系)のシャープなボンネットラインやリアスポイラー付きのシルエットを想像していた人にとって、**今風の電動スポーツクーペ風スタイリングは“らしくない”**と感じられたはずです。

一方で、すべてが否定的な意見というわけでもありません。「プリウスっぽいけど、これはこれで未来的でいい」「洗練されたクルマになって戻ってきた感じがする」「ホンダの電動時代の入り口としてアリ」など、前向きに受け取る声も一定数見られました。
デザインは人によって好みが分かれるものですが、新型プレリュードに関しては、“プリウスみたい”という意見の裏に、**「過去の期待とのズレ」「ブランドイメージとの比較」**が強く影響していることがうかがえます。

ちなみに私自身も、事前に見た公式ティーザー画像では「ん?ちょっとプリウス寄りか?」と感じたのですが、モーターショーで実車を見たときには印象が大きく変わりました。光の当たり方や立体感、ホイールデザインとのバランスなど、**写真では伝わらない存在感や“ホンダらしさ”**を確かに感じたからです。

つまり、第一印象で「プリウスっぽい」と感じたとしても、それは“見た目の一部だけ”を切り取った印象にすぎず、デザイン全体や細部まで目を向けてみると、新型プレリュードの独自性も見えてくるのです。

プリウスに似てると言われる具体的なポイントはどこ?

新型プレリュードが「プリウスみたい」と言われる理由には、何となくの“印象”だけでなく、具体的なデザイン要素の共通点があることが挙げられます。この記事を読んでいる方の中にも、写真や映像を見て「確かに似てるかも…」と感じたことがあるのではないでしょうか?
では、実際にどのあたりが似ていると指摘されているのか、細かく見ていきましょう。

まず最も多くの人が挙げるのが、フロントマスクのシルエットとヘッドライトの形状です。新型プレリュードは薄くシャープなLEDヘッドライトを採用し、グリルレスに近いクリーンなフロントデザインを持っています。これは、現行60系プリウスと非常に似た構成で、特に正面から見たときの“横一線に並ぶ光”のイメージが共通しています。
加えて、バンパー下部のシンプルな空力処理も似ており、「見た瞬間にプリウスを連想した」という人が多いのも納得です。

次に挙げられるのが、ルーフラインからリアエンドにかけての流線形のフォルムです。新型プレリュードは、クーペスタイルでありながらルーフからリアにかけてなめらかに落ちていくシルエットを採用しており、これはまさに現行プリウスと非常によく似ています。
特にリアクォーター(後方側面)の角度やボディの絞り込み方は、画像だけを見ると「どちらがどちら?」と見間違えるレベル。実際、SNS上ではプレリュードのサイドビュー画像に「プリウスと見分けがつかない」とコメントする投稿も少なくありませんでした。

さらに細かい部分では、ホイールデザインやボディカラーの選び方にも共通点が見られます。展示車両のプレリュードはパールホワイト系のカラーにブラックルーフの組み合わせで、これがプリウスの上位グレードとそっくりな配色になっていたことも、「似てる」と言われる一因になっています。加えて、エアロパーツを排したシンプルなボディ処理も、プリウスと同じく“スムーズな空気の流れ”を意識したデザインで、どうしても方向性が重なってしまうのです。

とはいえ、このような類似点がある一方で、**細部を見れば両者は明確に異なる個性を持っています。**たとえば、プレリュードはホンダのデザイン言語に基づき、やや硬質でスポーティな要素を持っており、シャープなキャラクターラインやエッジの効いたサイドビューなどはプリウスには見られない特徴です。
リアデザインもよく見ると、プレリュードは水平基調を強調したシンプルなテールランプを持ち、プリウスのような“C字型”の立体的デザインとは方向性が異なります。

つまり、「似ている」と感じるのはあくまで全体の雰囲気や流れであって、細部まで見ればちゃんと“ホンダらしさ”“プレリュードらしさ”は残っているのです。

個人的な体験としても、初めて実車を見たとき、写真で感じた“プリウスっぽさ”は思ったより薄く、「これはこれでプレリュードとして成立している」と感じました。
やはり写真だけで判断してしまうと、余計な先入観に引っ張られやすいのだと思います。

プレリュードの歴代モデルと比較してみるとどうか?

新型プレリュードが「プリウスみたい」と言われる背景には、現在のデザインそのものだけでなく、“かつてのプレリュードのイメージ”とのギャップも大きく影響しています。
では実際に、これまでの歴代プレリュードと比べて、新型はどこが違うのか?そして“らしさ”は残っているのか?今回は1〜5代目までの系譜をざっくり振り返りながら、比較してみましょう。

初代プレリュード(1978年〜)は、当時のシビックやアコードと共通のシャシーを使いながらも、2ドアクーペとして開発されたモデルでした。ボンネットの低さや開放的なサンルーフ、すっきりしたサイドラインが特徴で、「手が届くスポーツカー」という存在としてデビューしました。

2代目〜4代目(1980年代〜90年代前半)にかけては、まさにプレリュードの黄金期と言われる時代。特に3代目(BA型)は、“インクラインドフロントウィンドウ”と呼ばれる大きく寝かせたフロントガラスが話題を呼び、デザイン的にも技術的にも、当時の国産車としてはかなり先進的でした。4代目(BB系)になると、より低く構えたスタイリングに加え、4WS(四輪操舵)やDOHC VTECエンジンを搭載するなど、「走りのホンダ」としての実力が前面に押し出されていきました。

そして、1996年に登場した5代目(最終型)は、デザインが一気に直線的・硬質に変化し、より“男っぽい”クーペとして再構築された印象がありました。このモデルにこそ、「プレリュード=かっこいい」「スポーティな若者の車」といったイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
実際、私の周囲でもBB型プレリュードに憧れて免許を取ったという友人は少なくなく、今でも中古で探している人がいるくらい根強い人気があります。

こうした流れを知っていると、今回の新型プレリュードが登場したとき、「あれ?こんなに丸かったっけ?」「クーペ感が薄い…」と感じてしまうのも無理はありません。
先代までが持っていた“エッジ感”や“ロー&ワイドな構え”とは異なり、新型は環境性能や空力を重視した“流線型の未来的シルエット”になっているため、「プレリュードらしくない」と受け取られやすいのです。

ただし、よく見ると細部にはプレリュードの伝統が散りばめられています。たとえば低く構えたノーズ、水平基調のリア、そしてクーペ的なルーフラインの流れなどは、歴代モデルとしっかりつながる要素です。加えて、パッケージングも2ドアクーペという明確なボディスタイルを踏襲しており、ホンダは決して“名前だけ借りたクルマ”を作ったわけではないことがわかります。

つまり、新型プレリュードは“過去のオマージュ”というより、“未来の解釈”として再構築されたモデルなのです。クラシックなプレリュードをそのまま復刻しても、今の時代には合わない。けれども、精神性やフォルムの流れはしっかりと受け継ぎ、次の世代に向けた形で「プレリュード」の名を再起動させた──そんなふうに感じます。

プリウスとの比較も大事ですが、やはりプレリュードとしてどう進化したのかを見ることで、このクルマの本質が見えてくるのではないでしょうか。

プリウスとの“共通点”は実はトヨタとホンダのトレンド?

新型プレリュードが「プリウスみたい」と言われる理由の一つに、全体的なフォルムやフロントマスクの造形が共通していることが挙げられます。ですが、これを単純に「パクリ」や「模倣」ととらえるのは少し早計かもしれません。
実はこの“似て見える”デザインには、ホンダとトヨタ、そして自動車業界全体に広がるある共通したトレンドが影響しています。

それが、空力性能を重視した流線型デザインの進化です。
近年、自動車メーカーはCO₂削減や電費・燃費向上のため、空気抵抗をできるだけ減らすデザインを追求する傾向にあります。これにより、車の上から下へ、そしてフロントからリアまで、できるだけ滑らかに風が流れるようなフォルムがスタンダードになりつつあるのです。

その結果、車高を低く構えた“くさび形”のプロポーション、寝かせ気味のフロントウィンドウ、リアに向かって絞られるボディラインといったデザインが増加。これは新型プリウスやクラウン、そして今回のプレリュードにも共通しています。

加えて、グリルレス化やシャープなLEDヘッドライトの採用も業界全体の流れです。
EVやハイブリッド車では従来の冷却グリルが必要ないこともあり、前面の造形がシンプルかつ未来的に仕上がるケースが増えています。トヨタはbZシリーズでこの方向性を打ち出しましたし、ホンダもe:HEVやe:Ny1などの電動モデルで同様のアプローチをとっています。

こうした共通の条件のもと、見た目が「似てくる」のはある意味で“時代の最適解”の結果とも言えます。たとえばかつて、スポーツカーがみんなリトラクタブルライトだった時代があったように、今は“空力優先・クリーン顔”の時代。
メーカーはそれぞれに個性を持たせようとしていても、設計上の最適解が似通えば、似て見えるのは仕方のないことなのです。

また、ホンダとトヨタは日本を代表するメーカーとして、国内外で“環境対応車”を競うライバル関係にあります。今回のプレリュードとプリウスも、それぞれ“スポーティな電動車”という立ち位置で登場しており、ユーザー層や時代への訴求ポイントも重なっています。
つまり、似てしまうのは“お互いを意識している”のではなく、“同じ方向を見ている”からこそ、という見方もできるわけです。

私自身も当初は「え、ホンダがプリウス風に?」と思った側ですが、冷静に見れば見るほど、これは現代の技術的背景とユーザーの求める機能性が導き出したカタチであって、安易な模倣ではないと感じるようになりました。

だからこそ、見た目の印象だけで「プレリュードはプリウスのパクリだ」と判断するのはもったいない。むしろ、両者が“今の時代のモビリティ”としてどんな方向に進もうとしているのかを知ることで、デザインの意味や開発者の意図が見えてくるのではないでしょうか。

「パクリ」と感じるのはなぜ?人が“似てる”と感じる心理とは

新型プレリュードの登場直後に起きた「プリウスのパクリじゃないのか?」という声。これを見たとき、多くの人が感じたのは“違和感”だったと思います。
でもその違和感は、本当にデザインがそっくりだから起こったものなのでしょうか?
実はそこには、人間の認知や心理的な反応が大きく影響していることがあります。

まず知っておきたいのは、人は新しいものを見たとき、無意識に「どこかで見たことあるもの」と結びつけて判断しようとするという性質を持っていることです。これは“スキーマ”と呼ばれる心理学的な認知のしくみで、脳は過去に見たことのあるイメージや情報を元に、初見の対象を処理しようとします。
つまり、新型プレリュードのデザインを見た瞬間、私たちの脳は「あ、これ見たことあるぞ」と感じ、最も似ている記憶──つまり60系プリウス──と結びつけてしまうのです。

この“第一印象の類似”が強烈なほど、人は「似てる=パクリ?」という短絡的な印象を持ちがちです。とくに車のようにブランドイメージや過去の記憶が強く紐づいているプロダクトでは、「ホンダ=スポーティ」「プレリュード=流麗なクーペ」といった期待が裏切られると、違和感が一気に強調されてしまいます。

また、SNSのように反応が瞬時に広がる場では、誰かが「プリウスっぽくない?」とつぶやくだけで、他の人も“その目線”で見るようになり、共通の認識として拡散されやすくなります。これが“認知バイアス”や“集団同調”による二次的な印象形成です。
実際、初見では「ちょっと違う気もするけど…」と感じていた人が、繰り返し「プリウスに似てる」という意見を見ることで、「やっぱりそう見えるかも」と思い込んでしまうのです。

そしてもう一つ、“パクリ”という表現が持つネガティブな響きも問題です。
誰かが「似てるね」と感じることは自然なことですが、それをすぐに「パクリ」と断定してしまうと、本来意図されたデザインの文脈や思想を無視してしまう危険性があります。ホンダは決して「プリウスに似せた」わけではなく、「この時代のベストなデザインと機能性」を突き詰めた結果、たまたま似通った部分が生まれたと考えるのが妥当です。

私も以前、クルマの企画やマーケティングに関わったことがあるのですが、デザイン開発の現場では「どこかで見たことのある形」を避けることは極めて難しいと実感しています。特に近年は法規制や空力性能、歩行者保護要件など、設計上の制約が多いため、“似てしまう”ことはある種の必然でもあるのです。

新型プレリュードを見て「プリウスみたい」と感じるのは自然なことですが、その印象がどこから来ているのか、自分の中で一度冷静に考えてみると、よりそのクルマの本質が見えてくるかもしれません。
“似てる=ダメ”ではなく、そのデザインに込められた意図や性能と向き合ってみることで、新たな価値の発見につながる。そう思えるかどうかが、“車を見極める目”として大切なのではないでしょうか。

プリウスみたい=ダサい?プレリュードの魅力を再評価

プリウスみたい=ダサい?プレリュードの魅力を再評価

ラグジュアリードリームイメージ画像

SNSやネット上では「新型プレリュードはプリウスみたいでダサい」といった声が少なからず見受けられます。
ですが果たして、本当にそうでしょうか?デザインの第一印象に引きずられて“中身”を見ずに判断してしまうのは、あまりにももったいない話です。

ここからは「ダサい」と言われてしまう原因を整理しつつ、実際の新型プレリュードが持つ本来の魅力を、ひとつずつ再評価していきたいと思います。

「ダサい」と言われがち?プレリュードに対する誤解と現実
→ プリウス=おじさん車の印象との重なり、実は欧州的デザイン
新型プレリュードは「プリウスっぽい」けど中身は別物
→ 走行性能・ハイブリッド技術・ホンダの思想を明確に紹介
あえてプリウス的な路線にしたホンダの狙いとは?
→ サステナビリティ×デザイン融合、Z世代への意識
実車を見ると印象が変わる?写真と実物の“ギャップ”の声
→ 試乗会や展示会でのリアルな印象との違いをレポート風に
それでもプレリュードに惹かれる人たちの理由とは
→ 過去モデルへの憧れ+現代的バランス感に魅了される層の声

「ダサい」と言われがち?プレリュードに対する誤解と現実

まず最初に向き合いたいのは、“プレリュード=ダサい”というネット上の印象がなぜ生まれたのか、という点です。

おそらくこの印象の原因は、「プリウスっぽい=オジサンっぽい」「環境車=退屈な車」という、ある種のステレオタイプにあると考えられます。つまり、デザインがプリウスに似ているというだけで、「なんだか野暮ったい」「走りに期待できなそう」というイメージが先行してしまっているのです。

しかし実際、新型プレリュードのスタイリングは、過去のモデルとは異なる方向性でありながらも、現代的で洗練された“エレガントスポーツ”として設計されています。ボディラインは空気を流すように滑らかに、かつルーフは低く構え、クーペらしいフォルムをきっちり押さえています。

また、ホンダの最新デザイン哲学「Simplicity and Something」に基づき、過剰な装飾を削ぎ落としたことで、ミニマルで美しい印象を与えることにも成功しています。これは、派手さを求めるユーザーには物足りなく映るかもしれませんが、“あえて足し算をしない美学”として確立されたデザインです。

さらに興味深いのは、ホンダの開発陣が「走りと電動化の融合」をテーマに掲げ、プレリュードにスポーツハイブリッドという選択肢を持たせている点です。これはただの環境車ではなく、あくまで“走りを楽しむ人”のための一台。そこには、「環境車=つまらない」という時代遅れな先入観を打ち破ろうとする明確な意思を感じます。

私も実車を間近で見たとき、写真では伝わらなかった艶感や、佇まいの落ち着きに驚かされました。どこか欧州の高級クーペのような空気をまとっており、「プリウスっぽい」という言葉がいかに印象の一部だけを切り取っているかを実感しました。

つまり、「ダサい」と言われてしまう背景には、“期待していたイメージとのギャップ”や“先入観”があるだけで、クルマそのものは非常に完成度が高く、むしろ時代に即したスマートな一台であると言えます。

このあとも続けて、プレリュードが「プリウスみたい」と言われつつも実は中身はまったく別物であること、そして“あえて似せたのでは?”と思わせるような開発の狙いにも迫っていきます。

新型プレリュードは「プリウスっぽい」けど中身は別物

外見が似ていることから「プリウスみたい」と言われがちな新型プレリュードですが、実際にその中身に触れてみると、両者はまったく異なる思想で作られたクルマだということが見えてきます。
表面的な印象ではなく、スペックや走行性能、車づくりの方向性を比較していくと、その違いはより鮮明です。

まず注目すべきはパワートレインと走行性能のキャラクターです。
プレリュードはホンダ独自の**「e:HEV(スポーツハイブリッド)」**を搭載予定とされており、これは単なる燃費志向のハイブリッドではなく、モーターによる加速感とエンジンの駆動感を両立させた、走る楽しさを追求するユニットです。
実際、アコードやシビックのe:HEVでも高い評価を得ており、アクセル操作に対してリニアに反応する走行フィールが特徴です。

一方、プリウスは言うまでもなく、燃費最優先のストロングハイブリッドです。最新型では動力性能も大幅に向上し、スポーティな印象も加わっていますが、それでも“効率性”をベースとした設計思想であることに変わりはありません。つまり、プリウスは燃費・静粛性・快適性が軸、新型プレリュードは走り・操縦性・ドライバーの楽しさが軸というわけです。

この差はインテリア設計やドライビングポジションにも現れています。
新型プレリュードは、コックピットがドライバーに少し包み込むような形になっており、運転を“楽しむ”ための空間づくりがなされています。ステアリングの角度やメーターの視認性、シートのホールド性なども、ホンダのスポーティモデルに共通する仕立てであり、プリウスとは方向性が異なります。

また、新型プレリュードには“電動化時代のスポーツクーペ”としてのアイデンティティも込められています。
ホンダはS2000やインテグラタイプRといった歴代の名車を通じて、“誰でも運転を楽しめるライトウェイトスポーツ”を得意としてきました。そのDNAを、新しい時代にマッチさせて復活させようという試みが、今回のプレリュードには込められているのです。つまり、プレリュードは単に“環境にやさしい車”ではなく、“運転する喜び”を電動でどう実現するかという挑戦の結果であるとも言えます。

個人的には、この思想の違いに強く共感します。見た目こそ似ている部分があるにせよ、乗る人に与える体験や、メーカーが込めた想いは明確に異なります。
クルマは単なる移動手段ではなく、体験そのもの。そこに重きを置いているプレリュードは、やはり“走るための車”として設計されていると感じました。

つまり、「プリウスっぽいからダサい」という見方は、あまりにも表面的で短絡的。新型プレリュードは、その中身を見れば見るほど、“本質はまったくの別物”であり、ホンダらしいスポーツスピリットがしっかりと息づいた1台なのです。

あえてプリウス的な路線にしたホンダの狙いとは?

新型プレリュードを見たときに「プリウスっぽい」と感じた人は少なくありません。では、ホンダはなぜあえてそのような路線を選んだのか――それは“見た目の模倣”ではなく、今の時代にプレリュードというブランドを再定義するための挑戦だったと私は考えています。

まず前提として、ホンダはこのプレリュードを「走る楽しさと環境性能の両立を目指した新時代のスポーツカー」と位置づけています。環境負荷を減らしながら、ドライビングプレジャーをどう表現するか。そのテーマのもとで生まれたクルマである以上、当然のように空気抵抗を抑える流線型のフォルムや、グリルレスデザインといった要素は避けて通れません。

このような“空力最適化×未来的スタイリング”の流れは、すでにトヨタやマツダなど他メーカーも取り入れており、業界全体のトレンドでもあります。ホンダもそこに乗っただけでは?と見る向きもありますが、実はそれ以上に、このデザインが「Z世代や電動車に関心のある新しい層」に訴えかける狙いを持っていたと感じられます。

現代の若い層は、かつてのように“車=憧れ”という感覚をあまり持っていません。SNSで映えるかどうか、環境意識があるか、移動が快適かどうかなど、“ライフスタイルへのフィット感”が重視される傾向にあります。
そういった価値観に対して、新型プレリュードは**「地球にやさしい」「静かで快適」「でも運転も楽しい」**という絶妙なバランスを持ってアプローチしています。

あえて“やりすぎないデザイン”でまとめたのも、実はこの点が理由かもしれません。昔のプレリュードのようなゴリゴリのスポーツ路線に振らず、シンプルかつ洗練されたフォルムに仕上げたのは、大人の所有欲と新しい世代の共感を両立させるため
プリウスのような“未来を感じるクルマ”のイメージをあえて重ねることで、“プレリュード=古い名前”という先入観を打ち破ろうとした意図も感じられます。

また、ホンダは近年、「e:Nシリーズ」「ZR-V」などを通じて、“機能と感性の融合”を重視したモデル展開を行っています。これらの流れから見ると、プレリュードもその延長線上にあると言えます。単に過去の名車を復刻するのではなく、ホンダのこれからを象徴する一台として再構築する必要があった――そう考えると、あの“プリウス的”に見えるデザインも、むしろ必然だったのかもしれません。

個人的には、初めて見たときの印象よりも、ホンダの公式コメントや開発の意図を知ってから「なるほど、これは新しい層にも刺さるように作ったんだな」と納得できました。
つまり、新型プレリュードは単なる“懐古主義”ではなく、ホンダが未来のユーザーと向き合うために「見た目と中身の両立」を模索した1台。プリウス的な路線に見えるのは、その“表現の一部”にすぎないのです。

実車を見ると印象が変わる?写真と実物の“ギャップ”の声

SNSやニュース記事などで初めて新型プレリュードを目にした多くの人が、「プリウスっぽい」「なんか思ってたのと違う」といった第一印象を持ったのではないでしょうか。私もそのひとりで、発表当初は画像を見て「プレリュードの名にしてはちょっと…」と感じたのが正直なところです。

しかし、後日東京のモビリティショーで実車を目の前にした瞬間、その印象は大きく変わりました。
「写真と全然違う」――まさにこの感覚です。

これは私だけの感想ではなく、展示会に訪れた人たちの声を聞いても「実車はカッコいい」「写真では伝わらなかった立体感がある」「低く構えた佇まいがプレリュードっぽい」といったポジティブな意見が多く見られました。
特に印象的だったのは、車高の低さやワイド感、各部の細かい造形がリアルで見るとまったく違って見えるということ。写真だと平面的に写ってしまう部分も、実物では角のエッジやボディの抑揚がきれいに浮かび上がり、スポーティな印象が強く感じられるのです。

また、カラーリングの影響も見逃せません
ホワイトやシルバー系のボディカラーは写真だと“のっぺり”と映りやすく、プリウスに似た印象を助長してしまいます。ところが実車では、パール系塗装の光沢感や陰影の入り方が際立ち、上質さや個性がはっきりと現れます。これは屋内照明の下でも昼間の自然光の下でも顕著で、「意外と高級感ある」「プリウスというよりアウディっぽい」といった声も聞こえてきました。

さらに、ホイールやディテールパーツの質感も“写真では伝わりにくい魅力”のひとつです。
プレリュードの試作モデルでは、凝ったスポークデザインの大径ホイールや、精密なLEDライトユニット、サイドラインに沿った繊細なプレスラインが特徴的でしたが、こうした部分は静止画像だけではなかなか実感できません。
実際にクルマをぐるっと囲んで眺めると、そのプロポーションや素材感の完成度に「これ、思ってたより全然いいじゃん」と印象を改める人も少なくないはずです。

また、車内に乗り込んでみると、低めのドライビングポジションやスポーティな内装の雰囲気が「これぞプレリュード」と思わせる部分もしっかり残されています。これらは画像だけでは決して感じられない“体験的な魅力”です。

個人的にも、正直「プリウスっぽいよね」と最初は感じていました。でも、実車を見て触れて、その存在感や空気感に触れたとき、「やっぱりこれは“ホンダのプレリュード”なんだな」と納得できました。
見た目が似ていても、雰囲気や空気感、細部の仕上がりで“まったくの別物”に感じられる。これはクルマに限らず、すべてのプロダクトに共通することなのかもしれません。

新型プレリュードもまた、そうした“写真では伝わらない魅力”を持つ一台です。だからこそ、気になっている人は、ぜひ一度“実物”を見てみてほしい。そこには、画像だけでは決して得られないリアルな感動が待っているかもしれません。

それでもプレリュードに惹かれる人たちの理由とは

「プリウスみたい」「昔の方がよかった」といった声がありつつも、新型プレリュードに強く惹かれている人たちがいるのも事実です。
では、そんな彼らは一体どこにこのクルマの魅力を感じているのでしょうか?

まず挙げられるのが、「時代に合わせて進化したホンダスポーツ」としての価値です。
多くのファンがプレリュードに対して持っているのは、80〜90年代の“青春の1台”というイメージ。そこには、シャープで流れるようなデザイン、低く構えたフォルム、そして軽快で楽しいハンドリングといった、当時のホンダらしい魅力が詰まっていました。
今回の新型は、そうした過去のテイストを全面的に再現したわけではありません。ですが、「運転を楽しむための2ドアクーペ」という軸はきっちりと守られたまま、電動化という新しい時代に適応した──その姿勢こそ、プレリュードらしさだと感じている人も多いのです。

次に、「ちょうどいい」バランス感を評価している人もいます。
スポーツカーといえば、ゴリゴリのハードな走りや派手な見た目を思い浮かべがちですが、新型プレリュードはあえてそうした過激さを抑えた“品のあるスポーティさ”をまとっているのが特徴。
「これなら日常でも乗れる」「妻や家族からも理解が得られそう」「自己主張しすぎないデザインが逆にカッコいい」──そんな声も多く、走りも見た目も“ちょうどいい”と感じる人に支持されているようです。

また、現代のホンダ車としての信頼性や質感の高さも、選ばれる理由の一つです。
最近のホンダはインテリアの質感や静粛性にも力を入れており、プレリュードもその例に漏れず上質な空間と快適な乗り心地を両立しています。「見た目は地味でも中身はホンモノ」、そんな“通好み”なところが刺さる人も少なくありません。

さらに、先進性とスポーツ性の融合というコンセプトそのものにロマンを感じている人もいます。
「今の時代にクーペってだけで嬉しい」「スポーツカーの未来を考えさせられる1台」「ホンダがこの時代にプレリュードという名前を使った意味に惹かれた」──こういった“感性”でクルマを選ぶ層にとって、新型プレリュードはただの移動手段ではなく、“語りたくなる存在”なのです。

私自身も、正直最初は戸惑いがありました。でも、実車を見て触れ、開発陣の意図や背景を知るうちに、「これはホンダが“過去を懐かしむだけじゃない”という強いメッセージを込めた車なんだ」と実感しました。
だからこそ、流行りのSUVやEVばかりが並ぶこの時代に、あえて2ドアクーペを出したホンダに、拍手を送りたい気持ちすら湧いてきます。

新型プレリュードは、“尖っていないけど、確かに熱い”クルマです。
プリウスっぽいかもしれない。でも、それは外見の一部だけ。中身に宿る思想や乗る人の想いまで含めて見てみると、やはりプレリュードは“唯一無二”の存在なのかもしれません。

まとめ:見た目に惑わされず、“中身”でプレリュードを判断したい

SNSやネット上では「新型プレリュードはプリウスみたい」「なんだかガッカリ」といった声も目立ちました。たしかに、フロントマスクやシルエットにおいてプリウスと似た空気感を感じる人がいるのも事実です。
しかし、似ているのはあくまで“今の時代が求める合理性と機能美”を突き詰めた結果であり、その背景には空力性能や電動化、サステナブルな開発思想といった共通課題があります。

それ以上に大事なのは、そのクルマが何を目指して生まれてきたのかという“本質”です。
プレリュードは、単なる復刻や過去のオマージュではなく、「これからの時代にホンダが提案する、電動スポーツクーペの理想形」として仕上げられています。プリウスとは目指す方向性も、体験できるドライビングの質もまったく異なります。

実車を見て「印象が変わった」「想像以上にかっこよかった」と語る人が多いのも、まさにこのクルマの“中身”に魅力が詰まっている証拠でしょう。
画像だけでは伝わらない、存在感・質感・スポーティさ。見た目の第一印象だけで判断してしまえば、きっとその本質にはたどりつけません。

今、ホンダはプレリュードという名前に「未来への挑戦」という意味を込めて再び世に送り出そうとしています。それは懐古主義ではなく、過去の精神を現代的に再構築した、まさに“プレリュード(前奏曲)”という名にふさわしい再定義なのです。

見た目がどう見えるかではなく、「なぜそうしたのか」「何を届けようとしているのか」に注目すること。
新型プレリュードに向き合う上で大切なのは、まさにこの視点だと私は思います。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次