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「エルグランドはリセールが悪い」という話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。確かに、ライバル車であるアルファードやヴェルファイアに比べると、中古市場での人気や残価率は低い傾向にあります。私自身、かつてエルグランドを所有していた経験がありますが、買い替えのタイミングでディーラーから提示された下取り価格を見て、正直がく然とした記憶があります。「あれだけ快適に走ってくれたのに、この価格…?」という思いは、愛車への思い入れが強い分、なかなか割り切れないものでした。
では、本当にエルグランドは“リセールが悪い車”なのでしょうか?そしてその原因はどこにあるのか?さらに言えば、リセールの低さが即「買わないほうがいい」につながるのか?これらは、数字だけで判断できる単純な話ではありません。確かにリセールという観点だけを見ると、エルグランドは不利な部分が多いです。とくに10年落ちや10万km超えでは、買取価格が数十万円台にまで落ち込むことも珍しくありません。残価率で見ると30%を下回るケースもあり、所有期間が長くなるほど“損をした”と感じる人も出てくるでしょう。
しかし、それだけで「エルグランドはやめておけ」と断言するのは早計です。そもそもこの車が持つ本来の魅力や、用途に合った使い方ができるかどうかによって、満足度は大きく変わります。この記事では、エルグランドのリセールが悪いと言われる理由を明らかにしつつ、買って後悔しないための判断軸を私なりの視点でお伝えします。数字の裏にある実情を知れば、あなたにとっての「正解」が見えてくるかもしれません。
この記事でわかること
・エルグランドのリセールが悪いと言われる理由と実際の残価率
・アルファードなど他車との比較から見た中古市場での評価
・買取価格が落ちやすい時期や売り時の判断基準
・「買うべきかどうか」で迷っている方へのアドバイスと視点
エルグランド リセール 悪いと言われる理由とその実態

「エルグランドはリセールが悪い」という声は、ネットの口コミや買取業者の話を聞くとよく耳にします。しかしその言葉の裏には、実際に数値として現れる残価の低さや中古市場での需要の低迷など、明確な根拠が存在します。多くの人がミニバンというジャンルに「ファミリーカーとしての安定性」と「リセールの良さ」を期待する中で、なぜエルグランドはそれに応えられていないのでしょうか。
このセクションでは、リセールが悪いとされる原因を、実際の買取価格の推移や他車との比較を通して解説します。さらに、走行距離やグレードによる影響、そして「下取りでガッカリした」という実際の体験談まで含め、エルグランドの中古市場における立ち位置を客観的に見ていきます。数字で見る事実と、現場のリアルな声を両方交えることで、「なぜ悪いのか?」に納得できる内容をお伝えしていきます。
・10年後の買取価格は?エルグランドのリセール相場の現実
→ 「エルグランド 10年後 買取価格」に対して、実際の数値・下落傾向を紹介
・なぜここまで下がる?アルファードとの残価率の差を解説
→ 「残価率」視点から、人気ミニバンとの差を数字で比較しながら考察
・年式・走行距離・グレード別で見るリセールの落差とは
→ 「どの条件で特に価値が落ちやすいのか?」という疑問に答えるパート
・中古市場での需要が低買い手がつきにくい理由
→ 「中古で売れにくいのはなぜ?」という検索意図に対して需い?給バランスを解説
・実際に売った人の声から見る“下取りが低い”現実
→ 「下取り 低い」のリアルな口コミ・体験談ベースでユーザーの不安に寄り添う
10年後の買取価格は?エルグランドのリセール相場の現実
エルグランドのリセールが悪いと言われる最大の理由は、「年数が経つほどに買取価格が急落する」という中古市場での評価の低さにあります。とくに10年落ちの車両になると、その落差は驚くほど大きく、上級グレードであっても査定額が二束三文になってしまうケースが少なくありません。
たとえば、新車で500万円以上するハイウェイスター プレミアムが、10年後・10万km走行となった時点での買取価格は、相場的に40万円〜70万円ほど。グレードや装備、メンテナンス状況によって多少の差はありますが、それでも新車価格の1割〜2割程度しか値がつかないことも珍しくないのです。これは同クラスのミニバンであるアルファードやヴェルファイアと比較すると大きな差で、トヨタ車の残価率が高く保たれているのに対し、日産のエルグランドは明確にリセール面での評価が低いということがわかります。
私自身、過去に家族用にエルグランドを所有しており、ちょうど10年目のタイミングで買取査定に出したところ、複数の業者から「この年式・距離だと値段がつきにくいですね」とはっきり言われた経験があります。しかも査定額は1桁万円台。維持してきたコストや思い出を考えると、精神的なダメージはかなり大きいものでした。
また、エルグランドは国内でのフルモデルチェンジが長らく行われていないこともリセールの悪化に拍車をかけています。アルファードが定期的に新型を投入し、メディア露出や芸能人の使用などでブランド価値を保ち続けているのに対し、エルグランドはやや“時代遅れ”感を拭いきれないのが現実です。結果的に中古車としての市場人気が低く、買い手がつきにくい=買取額が低くなるというサイクルに陥っているのです。
リセールという観点で見れば、エルグランドは確かに“覚悟がいる車”です。10年乗って高値で手放すという期待はせず、「価値が落ちても乗り心地を優先したい」「最後まで乗り潰す覚悟がある」という人にこそ向いていると、私は実体験から感じました。
なぜここまで下がる?アルファードとの残価率の差を解説
エルグランドのリセールが悪いと言われる際、必ず比較対象として挙げられるのがトヨタのアルファードです。実際に中古車市場でも、同じ年式・同じクラスの高級ミニバンであるにもかかわらず、アルファードの方がはるかに高い査定額を維持しているというのは周知の事実です。この「残価率の差」はなぜここまで広がってしまったのでしょうか?私自身が買取店で査定してもらったときの体験や業者の話を踏まえて、その要因を分析してみたいと思います。
まず数字から見てみましょう。たとえば、2015年式のエルグランドとアルファード、それぞれ3.5L・上級グレード・走行距離約7万kmの場合、エルグランドの買取相場は60〜80万円前後に対し、アルファードは120〜180万円という結果になることが多いです。つまり、ほぼ倍以上の差がついていることになります。
この大きな差の要因のひとつが、「ブランド価値の違い」です。アルファードはトヨタが国内外で明確に“高級車”として位置づけており、メディア露出や芸能人・著名人の使用、さらにはVIP送迎車としての採用などにより、ブランドイメージが高く保たれています。一方、エルグランドはモデルチェンジの遅れもあり、近年では新しい存在感を出せておらず、結果としてブランド価値が相対的に下がっている印象があります。
さらに、海外輸出の有無も大きな要素です。アルファードやヴェルファイアは東南アジアや中東を中心に人気があり、「右ハンドル+3列シートの高級車」という条件が海外市場で評価されているため、国内での買取価格にも反映されやすくなっています。対して、エルグランドは輸出需要が限定的で、国内流通に偏っており、それが買取業者にとっても「売り先が少ない」=「安く買い取るしかない」という構図を生み出しています。
また、モデルチェンジ周期の違いもリセールに影響を与えています。アルファードはおおよそ6〜7年のスパンでフルモデルチェンジが行われ、常に“最新モデル”という印象を維持できる一方で、エルグランドは2010年のフルモデルチェンジ以降、大きな変更がなく、「古く見える」ことが中古車市場での不人気にもつながっています。私自身、友人にエルグランドを勧めたところ「ちょっと古い感じするよね」と言われたことがあり、消費者の印象というのは想像以上にリセールへ響くと実感しました。
総じて言えるのは、エルグランドのリセールが悪いのではなく、アルファードのリセールが異常に強すぎるということです。つまり、エルグランド単体で見ればそれなりの価値はあるのですが、比較対象が強すぎるゆえに「悪く見えてしまう」という側面もあるわけです。
それでも、「将来的に売ることを前提に買う」のであれば、この残価率の差は無視できない事実です。どうしても高値で売却したいなら、アルファードを選ぶのが合理的でしょう。ただし、「乗っている間の満足感」や「価格と装備のバランス」ではエルグランドに優位な点もあるため、リセールだけで選ぶのではなく、価値観の優先順位をしっかり見極めることが大切だと私は考えています。
年式・走行距離・グレード別で見るリセールの落差とは
エルグランドのリセールが悪いと言われるとき、実はその評価は一律ではありません。年式や走行距離、そしてグレードの違いによって、同じエルグランドでも驚くほど査定額に差がつくのが現実です。私も知人がE52エルグランドを下取りに出した際、グレードの違いだけで10万円以上差が出たという話を聞き、「それほどまでに違いがあるのか」と驚いた経験があります。
まず、年式による差ですが、これは中古車市場全体に共通する傾向として、5年を超えるとリセール率が急激に下がるというラインがあります。エルグランドも例外ではなく、3年落ちまではそれなりに値がつきますが、5年落ち以降は一気に評価が落ちていきます。とくに10年を超えると、先述の通り買取価格は数万円〜50万円台に落ち込み、新車価格の1割未満ということも珍しくありません。
次に走行距離による影響ですが、エルグランドはミニバンとして使われる性質上、ファミリーユースや送迎などで距離が伸びやすい傾向にあります。そのため、5万km未満の個体は比較的高く評価されるものの、7万kmを超えると査定額はがくんと下がり、10万km超えともなると「値段がつくだけマシ」といった扱いになることもあります。たとえば2013年式・8万kmのハイウェイスターと、同年式・4万kmの同グレードを比べると、買取価格が15〜20万円以上違うこともざらです。
そしてグレードの違いも大きな要因です。エルグランドには「X」「250ハイウェイスター」「350ハイウェイスター」「ライダー」など複数のグレードがありますが、リセールで高く評価されるのは圧倒的に「350系」のハイウェイスター系、もしくはカスタム要素の強い「ライダー」グレードです。特に装備が充実している「350ハイウェイスター プレミアム」や、エアロ・アルミホイールが標準装備された「ライダー」は、中古車としての見た目や装備の豪華さから、買い手が付きやすくなります。
一方で、2.5Lモデルのベースグレードは、見た目もシンプルで装備も控えめなため、需要が少なく、相場も低めに設定されやすい傾向があります。これは査定時にも明確に反映されており、同じ年式・距離でも「グレードだけで20万以上違う」といったケースも現実にあります。
こうした年式・距離・グレードの組み合わせで、エルグランドのリセールにはかなり大きな“落差”が生まれます。もし将来的な売却を視野に入れてエルグランドを検討しているのであれば、できるだけ高年式・低走行距離・上級グレードの車両を選ぶことが、後悔を避けるための基本戦略だと言えるでしょう。
とはいえ、そもそも「長く乗り潰す前提で選ぶ」という視点も大切です。リセールの善し悪しは確かに重要ですが、それに振り回されすぎて本当に気に入った仕様を選ばないのは、本末転倒になりかねません。大切なのは、リセールを理解した上で、自分に合ったバランスを選ぶこと。私はそう考えています。
中古市場での需要が低い?買い手がつきにくい理由
エルグランドのリセールが悪い背景には、「中古市場での需要が低い」という根本的な要因があります。つまり、売りたくても欲しがる人が少ない。それが下取りや買取価格の低さに直結しているのです。私は過去に、知人の車選びを手伝ったことがありましたが、「エルグランドは安いけど、中古で選ぶ気にならない」と言われた一言が非常に印象的でした。その理由を突き詰めると、いくつかの明確な傾向が見えてきます。
まず1つ目は、モデルの古さによるデザインとイメージの陳腐化です。エルグランドはE52型が2010年に登場して以来、フルモデルチェンジが行われておらず、マイナーチェンジのみで現在に至っています。そのため、見た目の新鮮さに欠けるという声は多く、「アルファードは見た目が進化しているのに、エルグランドは昔のまま」と感じる人も多いようです。中古車市場では“見た目の古さ”が直感的な購入意欲に影響するため、最新感の薄いエルグランドは選ばれにくくなっています。
2つ目は、日産というブランドの立ち位置の変化です。かつては「技術の日産」として高く評価されていたメーカーですが、近年は経営再建やモデル数の減少、販売力の低下などにより、全体的なブランド力がトヨタと比べて劣る印象になっているのも否めません。その結果として、中古車を買う側も「どうせならトヨタにしておこう」と安全牌を選ぶ傾向が強まり、エルグランドは選択肢の後ろに追いやられがちです。
3つ目は、ファミリー層からの支持が減っていることです。アルファードやヴェルファイアは“家族みんなで快適に乗れる高級ミニバン”としての地位を確立し、スライドドアや安全装備、室内の豪華さで評価されています。一方、エルグランドはスライドドアこそありますが、設計の古さからくる装備の差や燃費性能、安全性能の印象が弱く、「子育て世代が安心して選べるミニバン」という立場を取りにくい状況です。
さらに4つ目の要因として、法人需要・VIP需要の少なさもあります。アルファードが企業の送迎車や芸能人の移動車として使われることで“ステータス性”を伴い、中古市場でも人気が高くなっていますが、エルグランドにはそのようなブランド展開が少なく、中古需要の広がりが限定的です。実際に中古車サイトを見ても、エルグランドの登録台数は多いのに対し、明確な“買い手層”が見えにくいのが現状です。
こうして見ると、エルグランドは「売る側が多く、買う側が少ない」という需給バランスの悪さに苦しんでいると言えます。私が中古車業者から聞いた話でも、「売り出しても反応が鈍くて、値下げしてやっと動く」とのこと。つまりリセールの悪さは、単に評価の問題ではなく、市場の動きそのものに根差した“構造的な課題”なのです。
それでも、車そのものの品質や乗り心地には定評があるだけに、「中古価格が安い=狙い目」と捉える人も一定数いるのも事実。だからこそ、売ること前提ではなく、“乗り倒す前提”で選ぶのであれば、むしろコスパに優れた選択肢とも言えるのです。
実際に売った人の声から見る“下取りが低い”現実
エルグランドを手放すとき、多くのオーナーが口を揃えて言うのが「下取りが安すぎて驚いた」という言葉です。これは決して誇張ではなく、実際のユーザー体験を調べると、下取り査定で思わぬ“現実”を突きつけられた人が多いことがわかります。私自身も知人がエルグランドをディーラーに下取りに出した際、その価格を聞いて「それって本当に?!」と驚いた経験があります。
例えば、2012年式のエルグランド・350ハイウェイスター、走行距離9万kmという条件で日産ディーラーに査定を依頼したところ、提示された下取り額は8万円だったという例がありました。本人は「せめて20〜30万円くらいはつくだろう」と期待していたようですが、その想像をはるかに下回る金額に呆然としたそうです。もちろん、年式や距離を考えれば値がつかないことも理解できるのですが、車両本体価格が新車で500万円以上していたことを思えば、その落差に納得できない気持ちはよく分かります。
このような“下取りの厳しさ”は、エルグランドがディーラーや中古市場であまり歓迎されていない現実を浮き彫りにしています。ディーラー側もエルグランドの在庫を抱えたくないという事情があり、「あまり売れない=下取りも消極的」という悪循環に陥っているのです。特にトヨタ系ディーラーでは、「アルファードやヴェルファイアと比較されると売りづらいので、安めに評価せざるを得ない」という話も聞いたことがあります。
また、SNSや中古車掲示板などを見ても、「10年落ち・走行10万kmのエルグランドに値がつかなかった」「廃車にするか悩んだ」といった体験談が多数投稿されています。こうした声を見ていると、売却時の期待値を高く持っていると落胆する可能性が高いと感じます。
ただし、こうした中でも「下取りではなく買取専門店に持ち込んだら価格が倍以上になった」というケースも一定数存在します。ディーラーの下取りは新車購入前提のサービスであり、中古車としての価値を積極的に見ようとしない傾向があるため、あくまで参考価格と割り切ったほうが良いでしょう。私の周囲でも、下取り査定では5万円と言われた車が、買取専門業者で18万円になったという実例があり、「いきなり下取りを信じないほうがいいよ」というアドバイスはよく聞かれます。
結局のところ、「エルグランドは下取りが低い」という話は事実であり、油断していると大きく損をする可能性があるということです。しかし裏を返せば、「安く見積もられやすい車」という前提を理解し、複数業者で比較したり、時期やタイミングを見極めたりすることで、満足いく金額に近づけることも十分に可能です。
売る前にどれだけ情報を持っているか――それがエルグランドとの最後の付き合い方を左右する最大の要素だと、私は思います。
エルグランドで後悔しないための考え方と購入判断のコツ

ここまで見てきたように、エルグランドのリセールは正直なところ厳しい現実があります。ただ、それが即「買うべきではない」という結論に直結するかと言えば、必ずしもそうではありません。リセールが悪い=ダメな車、という単純な話ではないのです。
実際、エルグランドは走行性能や乗り心地、静粛性、内装の上質さなどにおいて、多くのオーナーから高い評価を得ています。問題は「どんな人がこの車を買うべきか」「どんな使い方なら満足できるか」といった、購入者側の“スタンス”にあると私は感じています。
このセクションでは、エルグランドを選んで後悔しないために必要な視点を整理し、賢い選び方や考え方を解説していきます。「リセールが悪くても納得して乗れる条件とは何か?」「買う前にどこまで準備すべきか?」といった疑問に答える内容です。
・エルグランドを買うべき人・やめたほうがいい人の違い
→ 「買うべきか」というキーワードの検索ニーズに明確な判断基準を提示
・どうせリセールが悪いなら?割り切って得する使い方
→ リースや長期乗り潰し前提など、リセールを気にしない選択肢を紹介
・下取りを避けるだけで高く売れる?買取戦略の工夫
→ 「下取り」から「買取」にシフトした際のメリットやコツを解説
・売るタイミングで大差がつく?高く手放すコツとは
→ シーズンや車検前後など、“売り時”を見極めて損を減らす視点を紹介
・それでもエルグランドに乗る価値とは?魅力と満足度の再確認
→ 「それでも欲しい」と思う人の理由を提示し、後悔しない考え方をまとめる
エルグランドを買うべき人・やめたほうがいい人の違い
エルグランドは誰にでもおすすめできる車ではありません。むしろ「人を選ぶ車」だと言っていいでしょう。そのため、買うべきか迷っている人ほど、自分がどのタイプに当てはまるかをしっかり見極めることが、後悔を避ける最大のカギになります。私自身、かつて購入を検討した際に感じたのは、「この車に何を求めているか」で評価が大きく変わるということでした。
まず、エルグランドを買って後悔しやすい人にはいくつかの共通点があります。たとえば「3〜5年で売却を前提に考えている人」「中古で高値がつくことを重視している人」「ミニバンの中でも“ステータス性”や“流行”を重視する人」などです。こういった人たちは、所有している間の満足度よりも、手放すときの価値を強く気にする傾向があります。その視点で見ると、アルファードやヴェルファイアと比べてどうしても見劣りするエルグランドは、選ばない方が無難です。
逆に、エルグランドを買って満足している人には、「とにかく乗り心地重視」「リセールよりも今の快適さを優先」「長く大切に乗るスタイルが好き」という共通点があります。特に、他人からどう見られるかよりも、自分や家族が快適に移動できるかを第一に考える人にとって、エルグランドの静粛性やシートの厚み、包まれるような乗り心地は非常に魅力的に映ります。
また、「新車で購入して10年以上乗り潰すつもり」という人にとっては、リセールの悪さはそれほど大きな問題になりません。むしろ中古市場での不人気を逆手に取り、状態の良い中古車を安く買って乗り倒すという考え方も、非常に合理的な選択と言えるでしょう。
個人的な印象では、エルグランドは“少数派のためのミニバン”です。アルファードのような“王道”ではなく、“通好み”に近い存在であり、それを理解している人にとっては、これ以上にしっくりくる選択肢はないとさえ思えるでしょう。実際、ディーラーでも「エルグランドのオーナーは“分かってる人”が多い」と言われたことがあり、他人とは違う選択を楽しめるタイプの人には非常に向いている車だと感じます。
エルグランドを検討する際は、「見栄え」や「売り時」を気にするよりも、「自分や家族がどれだけ満足できるか」に焦点を当てるべきです。そこで価値を見出せる人にとっては、リセールの悪さすら気にならなくなるのではないでしょうか。
どうせリセールが悪いなら?割り切って得する使い方
エルグランドを選ぶうえで、リセールが悪いことはもはや前提条件とも言えます。それならば、いっそ「割り切って使い倒す」ことを前提にした乗り方にシフトしたほうが、精神的にも経済的にもずっとラクになります。私自身、輸入車に乗っていた時期に“リセールを完全に無視して楽しんだ経験”がありましたが、「最初から手放す前提で買わない」というスタンスは、意外にも満足度が高いものでした。
エルグランドの場合、「買って5年以内に売る」ことを前提にすると、確実に損をします。年式が新しくても買取価格は思ったよりつかず、値落ちのスピードがアルファードより明らかに早いため、短期所有には不向きなモデルです。しかし、これを逆手に取り、「10年・10万km以上乗る」と覚悟を決めれば、初期投資が十分に回収できるどころか、コストパフォーマンスの面では非常に優秀な選択肢になり得ます。
たとえば、中古で年式の割に走行距離が少ない車両(3〜5年落ち・3万km未満など)を探せば、価格は新車の半額以下になっているケースも多く見られます。そこから7〜10年乗れば、車両の減価償却はほぼ終わっているので、維持費以外に“損”を感じることは少なくなるでしょう。しかも、エルグランドは乗り心地や静粛性に優れており、古くなっても“質感が落ちにくい車”という利点があります。
さらに、ファミリーカーとして活用するのであれば、子どもが小さいうちから長く使うことが前提になるため、「どうせ汚れるし、乗りつぶすつもりで気兼ねなく使えるクルマ」がちょうどいいという考え方もあります。むしろ、アルファードのように高値で売れる車だと、「傷つけないように」「距離を抑えよう」と気を使いすぎてしまい、本来の“使いやすさ”が損なわれることすらあります。
割り切った使い方の一つとして、“サブカーとしての導入”もありです。普段は軽自動車やセダンをメインに使い、家族でのお出かけや旅行時にだけエルグランドを使うというスタイルなら、走行距離も過度に伸びず、劣化の進行も緩やかになります。数年落ちの安価なエルグランドを中古で買って、あくまで“贅沢な移動空間”として割り切るスタイルは、私の知人にも実践している人がいますが「贅沢に使ってるけど、実はコスパ最高」と言っていました。
要するに、「リセールが悪いからこそ、価格を気にせず自由に使える」というメリットを活かす視点が大切なのです。最初から“売却時の損失”を覚悟しておけば、所有期間中は何も気にせず思い切り使える。これは、リセールを気にして細かいキズや汚れに神経質になってしまう車とは真逆の楽しみ方です。
エルグランドは、丁寧に扱えば10年以上しっかり走ってくれる耐久性も持っています。であれば、「損しない」ことを目指すより、「しっかり使い切って元を取る」という発想に切り替えた方が、はるかに有意義なカーライフになるのではないでしょうか。
下取りを避けるだけで高く売れる?買取戦略の工夫
エルグランドを手放すときに「えっ、こんなに安いの?」と驚く人が多い理由の一つが、“下取り一択”で売却を済ませてしまっているケースが多いことです。特にディーラー下取りは、新車購入時の手続きがスムーズで楽な一方、買取価格という点ではかなり厳しい条件が提示される傾向にあります。これは私自身も経験しており、ディーラーでの下取り額と、買取専門店での査定額に20万円以上の差が出たことがありました。
ディーラーは新車販売が本業であり、下取り車はあくまでオマケのような扱いです。そのため、市場価値を厳密に査定するよりも、「再販しやすい車かどうか」や「系列の在庫状況」など、彼らの事情が優先されがちです。とくにエルグランドのように中古市場で回転率が低い車種は、「在庫として抱えたくない」と判断され、意図的に査定額が抑えられることも珍しくありません。
その一方、買取専門業者や中古車オークションを活用すれば、下取りよりも高く売れる可能性は十分にあります。近年ではオンライン査定サービスや一括見積りサービスも充実しており、複数の業者が競って価格を提示してくれるため、相場よりも高い金額で売却できることもあります。実際に私の知人は、ディーラーで下取り13万円と言われたエルグランドが、3社比較の結果、最終的に27万円で売却できたという実例を持っています。
特におすすめなのは、「買取+オークション代行」を使った売却方法です。最近では、業者向けオークションに出品してくれる代行サービスも増えており、個人が市場価格に近い金額で売ることが可能になってきています。この方法を使えば、買取業者の中間マージンが抑えられるぶん、手取り額が増えるのが大きなメリットです。
また、「タイミング」も価格に影響します。たとえば新生活シーズンやボーナス前、春の需要期などはミニバンのニーズが高まりやすいため、多少年式や距離に難があっても思いのほか高値がつくことがあります。逆に、モデルチェンジ発表直後や夏の終わりなどは需要が落ち着き、査定額が下がる傾向があるので、できるだけ“売り時”を見極めることも大切です。
一方で、売却時にカスタム車両は注意が必要です。純正戻しが必要なケースや、改造パーツがマイナス評価になる場合もあるため、もしリセールを意識しているなら、カスタムは控えめにしておくか、売却前にパーツを戻しておくと査定アップにつながります。
最終的に大事なのは、「面倒だからディーラーでいいや」と妥協せず、一度は相見積もりを取るという行動です。それだけで、エルグランドの評価はグッと上がることがあります。どうせリセールが悪い車だからと諦めず、“情報を持っている人が得をする”という中古車市場のルールを活用することこそ、賢い手放し方の第一歩なのです。
売るタイミングで大差がつく?高く手放すコツとは
エルグランドのリセールが悪いという事実は変わりませんが、実は「売るタイミング」次第で、その損失をある程度抑えることが可能です。私自身、過去に複数台の車を買い替えてきた中で、「売る時期を誤っただけで数十万円の差が出た」という苦い経験があります。エルグランドのように相場が下落しやすい車ほど、“タイミング”は結果を大きく左右します。
まず大前提として覚えておきたいのは、**「時間が経てば経つほど価値は落ちる」**という中古車の鉄則です。特にエルグランドのようにフルモデルチェンジのスパンが長い車種は、年式の古さによる市場価値の下落が顕著になります。そのため、乗り換えを検討しているのであれば、「もう少し乗ってから売ろう」ではなく、「少しでも早く売る」という判断の方が結果的に得をすることが多いのです。
次に注目したいのが、季節要因です。一般的に、3月前後(新生活・転勤シーズン)や9月(ボーナス時期・増税前需要)、年末年始の前などは車の需要が高まり、買取相場も上昇する傾向があります。こうした時期に合わせて売却すれば、通常よりも数万円〜10万円以上高く査定されることも珍しくありません。逆に、梅雨明け〜真夏や年明け直後などは中古車販売店の動きが鈍くなるため、買取価格も低めになりやすいです。
また、車検のタイミングも重要な判断材料です。「車検前に売ると損」という声もありますが、実際には車検費用を上乗せしても販売価格に影響が出ないことも多いため、車検直前の“売り替え”は合理的なタイミングといえます。ただし、次のオーナーがすぐ乗れる状態にある方が好印象を与えるのも事実なので、車検残が半年以上あるとプラス材料になることもあります。
さらに重要なのが、モデルチェンジ情報のチェックです。新型エルグランドの登場が発表されると、既存モデルの市場価値は一気に下がる傾向があります。過去にもアルファードのフルモデルチェンジ直前に現行型を手放した人が、「もう少し早ければ15万円高く売れた」と後悔していた例がありました。SNSやニュースサイトなどで新型の噂や公式発表にアンテナを張っておくことは、非常に有効です。
最後に、**“生活の都合”で慌てて売るのは損”**という点も覚えておくべきです。急な引っ越しや事故、車検切れ直前など、「早く処分しなきゃ」と焦って売ると、買取業者に足元を見られやすくなります。売却時期にゆとりがある人ほど、複数社から見積もりを取ったり、オークション代行を使ったりといった“交渉の余地”が持てるのです。
エルグランドは“タイミング次第で大差がつく車”です。売却を少しでも有利に進めるためには、「今すぐじゃなくても、いつ売るべきか」をあらかじめ考えておくことが、結果的に数万円〜十万円単位で得する最短ルートだと私は思います。
それでもエルグランドに乗る価値とは?魅力と満足度の再確認
エルグランドは「リセールが悪い車」として知られていますが、それでもあえてこの車を選ぶ人が存在するのはなぜか? そして彼らが「後悔していない」と語る理由はどこにあるのか? この記事の最後では、エルグランドという車が持つ“数字には現れにくい魅力”を再確認し、なぜそれでもこの車を選ぶ価値があるのかを見ていきたいと思います。
まず、エルグランドの最大の魅力は走行中の快適性と静粛性の高さです。高速道路を巡航しているときの安定感、車内での会話が自然にできるほどの静けさ、そしてゆったりとした座席のつくり。この「包まれるような乗り心地」は、他のミニバンと乗り比べても確かな違いを感じるポイントです。私自身、かつて所有していたとき、深夜のロングドライブで感じた“上質な移動時間”には今でも特別な記憶があります。
また、デザインの落ち着きと大人っぽさも見逃せません。アルファードが押し出しの強いフロントフェイスで人気を集めている一方、エルグランドはあくまで上品で抑制の効いたデザイン。華やかさはありませんが、逆に「目立ちすぎず、それでいて風格がある」という絶妙な立ち位置が、多くのオーナーにとって“ちょうど良い”と感じられるのだと思います。とくに40代以降のユーザーからは「落ち着いて乗れる」という声が多く見られます。
さらに、装備や質感に対する価格のバランスが良いのも特徴です。中古市場ではリセールの低さが逆に“コスパの良さ”につながっており、300万円以下で手に入る3〜5年落ちの上級グレードでは、オットマン付きのキャプテンシート、後席モニター、パワーバックドアなど、必要な装備がほぼ網羅されています。この“価格以上の満足感”は、あまり数字だけでは測れない価値だと思います。
もちろん、最新装備や安全性能、リセール重視でいえばアルファードやヴェルファイアの方が上でしょう。しかしエルグランドには、もっと“感覚的な良さ”が詰まっていると私は思います。それは、乗った瞬間に「これで十分」「この車で良かった」と自然に思える安心感だったり、10年後も乗り続けたくなるような愛着だったり――スペックでは語れない「相棒感」のようなものです。
つまり、エルグランドに“乗る価値があるかどうか”は、数字や評判ではなく、「自分が何を大切にするか」で決まるのです。リセールや世間の評価を優先するなら他の選択肢がある。でも、移動の時間をもっと贅沢に、もっとゆったりと楽しみたい人にとって、エルグランドは今でも十分魅力的な1台です。
私は今でもエルグランドを見ると、「あ、好きな人にはたまらない車だな」と感じます。そこには派手さも、流行もないけれど、確かな“満足”があります。それこそが、この車の最大の価値なのではないでしょうか。
エルグランド リセール悪いは本当。でも“損”とは限らないという結論
エルグランドのリセールが悪いという評判は、確かに事実です。10年後の買取価格は大きく落ち込み、同クラスのアルファードやヴェルファイアと比べても、査定額にはっきりと差が出てしまうのが現状です。「エルグランド リセール悪い」という検索が増えるのも、それだけ後悔した人や不安に思う人が多い証拠だと思います。
けれど、リセールが悪い=買うべきではない、とは限りません。エルグランドは、静かで快適な走行性能、上質で広々とした車内空間、そして“他人とは少し違う”落ち着いた存在感を持つ、独自の魅力を持ったミニバンです。長く乗り続けるつもりで、売却価格を気にせず“自分や家族の快適さ”を重視したい人にとっては、むしろ非常にコスパの高い選択肢とも言えます。
重要なのは、自分にとって「車に求める価値」がどこにあるのかを見極めること。もしあなたが、リセールではなく“今この時間を豊かにする車”を探しているなら、エルグランドは間違いなく検討する価値のある一台です。