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アウディ A7は、洗練されたデザインと高級感あふれるインテリアで知られる一台ですが、いざ中古市場を見てみると「意外と安い」と感じる人が多いのではないでしょうか。なぜこれほど魅力的な見た目とスペックを持ちながら、A6やA8と比べてアウディ A7は安い理由があるのか?その背景には、単なる人気の有無だけでない、いくつかの要因が隠れています。
私自身もかつてA7の購入を検討した際、「なぜこんなに価格が落ちているのか?」と不安になり、ネットで「アウディ A7 安い理由」や「アウディ A7 不人気」「A7 故障率」などと繰り返し検索した経験があります。そのなかで感じたのは、「このクルマの価値を理解して買う人にとっては、むしろ“狙い目”になるかもしれない」という可能性でした。
実際に調べていくと、アウディ A7はその車格や装備、性能の割に買取相場が控えめで、維持費やトラブルリスクへの警戒感が価格を押し下げている側面があるとわかります。ですが、それは“ダメな車”という意味ではありません。日本でのサイズ感や使い方、マーケットとのズレが影響しているというのが実情で、見方を変えれば“高級車を割安に楽しめるチャンス”とも言えるのです。
この記事では、「アウディ A7 安い理由」を軸に、不人気とされる背景、買取価格の傾向、維持費の実態、そして実際に満足して乗っている人たちの声まで掘り下げていきます。最終的には、「A7は買って後悔する車なのか、それとも知っていれば得する一台なのか?」を、オーナー目線も交えながら丁寧に検証していきます。
この記事でわかること
・アウディ A7が安いと言われる理由と価格下落の背景
・不人気とされる要因や、買取・下取り相場のリアル
・故障リスクや維持費に関する実体験とデータ
・満足しているオーナーの共通点と「買いの視点」
・買って後悔しないために知っておくべきポイントとは?
アウディ A7 安い理由はなぜ?価格が下がる要因を冷静に分析

「なぜアウディ A7はこんなに安いのか?」という疑問は、中古車サイトやオークション相場を見ていると必ず一度は感じるところです。新車価格が800万円を超える車両が、数年落ちで300万円台〜400万円台前半という価格帯にまで落ちているケースも珍しくありません。この価格差を見ると、「もしかして不人気車?」「何か大きな欠点があるのでは?」と不安に思うのも自然な反応でしょう。
しかし、その理由を掘り下げていくと、単純に「アウディ A7の質が悪いから安くなる」という話ではなく、日本市場における立ち位置や需要の少なさ、維持費のイメージ、そして輸入車全般に共通する価格下落の特徴など、いくつかの複合的な理由が絡み合っていることが見えてきます。
このセクションでは、アウディ A7がなぜ中古で安くなるのかについて、よくある噂やデータをもとに、冷静に要因を整理していきます。あわせて、価格が安い=価値が低い、という誤解を払拭できるような視点も交えながら、「A7をどう見るべきか」のヒントを提供していきます。
・不人気なのか?アウディA7が選ばれにくい理由とは
→ ボディサイズやブランドイメージなどから来る選ばれにくさを分析
・新車価格とのギャップが大きい理由とモデルの立ち位置
→ A6との比較、A8との中途半端さがもたらす市場評価を整理
・故障リスクと維持費の高さが中古価格に与える影響
→ 「壊れやすい」「維持費が高い」とされる背景と実態
・買取相場が低めに推移しているモデル特性とは?
→ 実際の下取り価格データに基づいて相場の動きを解説
・日本市場におけるA7の立ち位置とニーズのズレ
→ 「見た目はカッコいいが使いづらい」とされる理由を生活環境視点で
不人気なのか?アウディA7が選ばれにくい理由とは
アウディ A7が中古市場で安く見える理由のひとつに、「不人気車では?」という印象を持たれやすい点が挙げられます。確かにA6やA8に比べて流通量は少なく、中古車サイトでも目立つ存在とは言いがたいのが現状です。しかし、“不人気”の本質を探ると、それはネガティブな意味合いというより、“ニッチ”な存在だからこそ選ぶ人が限られるという側面が大きいと感じます。
まず、A7は4ドアクーペという独特なスタイルを持っています。ファストバックのようなルーフラインや伸びやかな全長は、見た目こそ美しいものの、実用性の面でA6やA8と比べて敬遠されやすい傾向があります。とくに日本では、車幅が広く後席のヘッドクリアランスが限られるA7のようなデザインは、ファミリーカー用途として選ばれにくく、「見た目はカッコいいけど、現実的じゃない」と感じられてしまうことが多いのです。
また、アウディというブランドそのものも、国内ではBMWやメルセデスと比べて若干マニアックな印象があり、A7のような“通好み”のモデルは新車販売でもそこまで数が出ません。つまり、流通量が少ない→中古価格が伸びにくい→結果として「安い車」という認識になってしまっているのです。
さらに、A7はA6と基本構造を共有しており、「見た目以外に大きな違いがないならA6でいい」と考えるユーザーも少なくありません。そうなると必然的に中古市場での需要も限られ、「知る人ぞ知るクルマ」ゆえに市場価値が低くなってしまうのが実情です。
しかしこれは裏を返せば、好みが合う人にとっては、割安で手に入る魅力的な一台とも言えます。不人気というより、「万人受けしない」──その特性が、A7の価格を押し下げている最大の理由のひとつです。
新車価格とのギャップが大きい理由とモデルの立ち位置
アウディ A7の価格が中古市場で大きく下がる理由のひとつに、**「新車価格とのギャップが極端に大きい」**という点があります。数年落ちの車両が、新車時の半額以下で売られているケースもあり、その価格差に驚く人は多いでしょう。なぜここまで落差が出るのか──それは、A7のモデルとしての立ち位置にヒントがあります。
A7は、アウディのラインアップにおいて「A6ベースの4ドアクーペ」として設計された車です。プラットフォームやエンジン、内装の基本構造はA6と共有しながらも、よりスタイリッシュで伸びやかなフォルムを持たせることで、上位モデルらしさを演出しています。つまり、実質的にはA6と兄弟車種でありながら、“デザイン料”として高価格が設定されているという構造なのです。
たとえば、A6の同年式・同装備と比較してみると、A7は新車で100万円以上高くなることもあります。しかし、実用性や機能面ではそこまで大きな違いがないため、中古車市場では「A6と同じような車なのに、わざわざ高く買う理由がない」と評価され、価格が抑えられる傾向にあります。
加えて、アウディにはA8という明確なフラッグシップが存在しており、価格的にもA7と被ることがあります。A7はその中間にあたるポジションで、高級感・サイズ・価格のどれをとっても中途半端に見られやすいというのが実情です。これが「どこか選びにくいモデル」という印象に繋がり、新車で選ばれにくく、中古でも価格が伸びないという結果に直結しています。
私自身も、A6とA7を比較試乗した際、見た目以外では大きな差を感じなかったという記憶があります。そうなると実用性やコストパフォーマンスを重視するならA6、圧倒的な存在感を求めるならA8を選ぶという流れになり、A7はあくまで“こだわりの選択肢”として残る構図になります。
つまり、A7が安くなるのは「性能や質が悪いから」ではなく、その絶妙すぎる立ち位置ゆえに、中古市場での需要が限られているからにほかなりません。この点を理解して選ぶなら、むしろ「価格がこなれているぶん、お得に買えるプレミアムカー」として魅力的に映るはずです。
故障リスクと維持費の高さが中古価格に与える影響
アウディ A7が中古市場で「安くなりやすい」と言われるもう一つの大きな理由が、故障リスクへの警戒感と維持費の高さです。高級輸入車である以上、ある程度のメンテナンス費用や部品代は覚悟が必要ですが、特に中古車となると「壊れたら高くつくのでは?」という心理が働き、買取価格や市場価値に影響を与えてしまいます。
実際、アウディ A7に限らず、ドイツ車は10万km前後を超えたあたりから各所に不具合が出るリスクが高まるとされています。エアサスや電装系のトラブル、さらにはオイル漏れやミッション系の故障など、修理費用が数十万円単位になるケースもあり、「購入時は安くても、維持するのにお金がかかる」という認識が根強いのです。
また、アウディ特有の“先進的な装備”も故障リスクを高める一因です。たとえば、MMIナビゲーションシステムや電子制御サスペンションなどは便利で快適な反面、一度トラブルが起きると部品交換+専用診断機での対応が必要となり、国産車よりも大幅に修理費がかかります。こうした背景から、業者側も買取リスクを見越して査定額を抑える傾向にあるのが実情です。
さらに、定期的な整備費も軽視できません。アウディ正規ディーラーでの点検費用は、車検で20万円前後、オイル交換やブレーキパッド交換でも数万円単位の出費になります。これが「安く買ったはずなのに、維持費で想像以上の出費があった」と感じるきっかけになりやすく、中古市場での流通も伸びにくくなってしまいます。
ただし、これらのリスクは「しっかりメンテされていた車両を選ぶ」ことで大幅に減らせるのも事実です。整備履歴が明確で、認定中古車や保証付きの個体を狙えば、故障に対する不安はかなり小さくなるというのが私の実感でもあります。
つまり、アウディ A7の価格が安くなりやすいのは、車両そのものの質というよりも、「壊れたら高い」という心理的なリスクを反映した結果です。ここを冷静に理解できれば、むしろ掘り出し物を見つけるチャンスとも言えるでしょう。
買取相場が低めに推移しているモデル特性とは?
アウディ A7が「安い」と感じられる背景には、中古車市場での買取相場の低さも密接に関係しています。新車価格では800万〜1000万円クラスのプレミアムカーであるにもかかわらず、3年落ち・5万km前後の個体で買取相場が400万円台前半、場合によっては300万円台に突入することも珍しくありません。ではなぜここまで下がるのか?その根本には、A7という車種の“中古市場での扱われ方”に要因があります。
まず、A7は前述のとおりニッチな立ち位置のモデルです。スタイルは美しいものの、サイズが大きく実用性がやや劣るという印象を持たれやすく、「次に買う人」が限られてしまいます。再販しにくい車=業者が在庫リスクを背負うことになるため、必然的に買取価格は抑えられがちです。
また、アウディ車全体に共通する傾向として、「年式が古くなると一気に評価が落ちる」という特徴があります。特にA7のようなハイエンドモデルでは、デジタルコックピットやインフォテインメントなどの装備の進化スピードが早く、わずか数年で「古さ」を感じさせてしまうため、中古市場での人気が長く続きにくいのです。
さらに、国内での販売台数が多くないため、買取業者側でも「仕入れても売る先が見つけにくい」という事情があります。A6やQ5のように一定の需要が見込める車種であれば高値がつきますが、A7は台数が少ないがゆえに評価基準も曖昧になり、結果として保守的な価格設定になってしまうわけです。
私が過去に買取査定を依頼した際にも、同じ年式・走行距離のA6と比較して、A7の方が30〜40万円も安い見積もりが提示されたことがありました。その業者曰く、「A7は売れ筋から外れるので、少し厳しめになります」とのこと。これは決して車の性能が劣るからではなく、マーケットの都合による評価だという点は理解しておくべきです。
このように、A7の買取相場が低めに推移しているのは、車両のスペックやコンディションだけでは決まらない“市場評価の構造”に起因しています。その仕組みを知っておくことで、購入時や売却時の戦略も大きく変わってくるはずです。
日本市場におけるA7の立ち位置とニーズのズレ
アウディ A7が“安くなる理由”の背景には、日本市場におけるユーザーのニーズとのズレが大きく影響しています。これは性能や品質といった車本来の価値とは別に、A7の立ち位置が日本の道路環境や購買層のライフスタイルと微妙にかみ合っていないことを意味します。
まず、日本では「セダン+実用性」または「SUV+利便性」といった明快な使い方が好まれます。A7のような4ドアクーペスタイルは、スポーティかつエレガントで魅力的な反面、リアシートのヘッドクリアランスが狭かったり、荷室開口部が独特で積載しにくいと感じられたりすることがあります。そのため、「見た目はいいけど使いにくい」という評価をされがちです。
また、日本の都市部では車幅の広さや駐車場事情も大きなハードルになります。A7は全幅が1900mm近くあるため、立体駐車場や狭い道では扱いづらく、日常の使いやすさを重視するユーザーにとっては敬遠される要素です。SUVが選ばれる理由のひとつに“見切りの良さ”や“運転のしやすさ”があることを考えると、A7のようにスタイル重視のモデルはやや不利になりがちです。
さらに、購入層とのミスマッチも影響しています。A6やA8を選ぶようなビジネスユーザーやファミリー層にとって、A7のデザインやパッケージングは「必要以上に個性的」と映ることが多く、保守的な価値観を持つ人からは“選びにくい車”として見られがちです。一方で、若い層には魅力的に映るものの、価格や維持費の面で手が届きづらいというジレンマもあります。
実際、私の周囲でもA7の購入を検討した人が「かっこいいけど使い勝手が気になる」と言ってA6やQ5を選ぶパターンをよく見かけました。これは車自体の出来が悪いのではなく、日本独自の生活スタイルや嗜好とのズレが価格に反映されているということなのです。
このように、アウディ A7は「日本市場で売れにくい=価格が落ちやすい」という構造にあり、その点を理解せずに「安いから何か悪いのでは?」と捉えてしまうのは早計です。むしろ、そのズレを受け入れたうえでスタイルや個性を楽しめる人にとっては、コストパフォーマンス抜群の一台になり得るのです。
アウディ A7は本当に買って後悔する車なのか?

ここまででアウディ A7が中古で安くなる理由をいくつか見てきました。不人気、維持費の高さ、買取相場の低迷、日本市場とのミスマッチ──たしかに、これらを見れば「買うと後悔するのでは?」と感じてしまっても無理はありません。
しかし、安くなる理由が必ずしも「ダメな車」を意味するわけではありません。むしろアウディ A7は、知る人ぞ知る高級4ドアクーペとして、そのデザイン性や走行性能、ブランド価値に魅力を感じるユーザーにとっては“買ってよかった”と感じられる一台なのです。
このセクションでは、アウディ A7の持つ本質的な魅力や評価されているポイントを、実際のオーナー視点を交えながら紹介していきます。高級車としての質感や走りの良さ、デザインへの満足度など、「なぜあえてA7を選ぶ人がいるのか」を掘り下げ、「後悔しないためにどんな人に向いているのか」という点まで明確にしていきます。
・見た目と存在感はトップクラス|デザインで選ぶ価値
→ スポーツバックスタイルの希少性と、オーナー満足度の高さ
・走行性能と静粛性のバランスはむしろ上級
→ 実際の試乗レビューや走行性能面からの高評価を紹介
・中古だからこそコスパ抜群!高級車の“おいしい買い方”
→ 新車との価格差を活かした賢い選択としてのA7
・向いている人・向かない人の違いとは?
→ 後悔する人のパターンと、納得して満足している人の共通点を比較
・リセールより“乗り潰す”覚悟で選べば満足度は高い
→ リセールの低さを気にしない長期オーナー志向の視点
見た目と存在感はトップクラス|デザインで選ぶ価値
アウディ A7が他のどのモデルよりも際立つ点、それは間違いなく**“美しさ”と“存在感”**にあります。4ドアクーペという独特のフォルム、クーペライクな流れるルーフライン、そしてリアからの眺め──このクルマを一目見て心を奪われたという人は少なくないはずです。
A7のデザインは、アウディの中でもひときわモダンで洗練されており、単なる移動手段を超えた“持つ喜び”を与えてくれる存在です。特にSラインやブラックスタイリングパッケージが装備された車両では、その精悍さは国産車ではまず見かけないレベル。街で見かけても「何のクルマ?」と二度見されることがあるほど、デザイン面でのインパクトは絶大です。
この“見た目重視”の価値観は、たとえ他の部分に小さな不満があったとしても、所有する喜びとしてしっかりリターンを返してくれます。私自身、初めてA7に試乗したとき、静かで滑らかな走り以上に「このクルマに乗っている自分」が特別に感じられたことを強く覚えています。まさにクルマというよりライフスタイルの一部として成立するデザインだと感じました。
さらに、A7は“人と被りにくい”という点でも特別感があります。BMWやメルセデスの同価格帯モデルと比べると流通量が少なく、「アウディに乗っている」というより「A7を選んだ」という意思が伝わるクルマ。これが所有欲をくすぐり、長く乗るモチベーションにもつながっていきます。
価格が安いからといって“安っぽさ”を感じることは一切ありません。むしろ、中古で300万円台〜400万円台で手に入るなら、これほど“見た目で満足できるクルマ”はなかなか他にないでしょう。実用性よりもデザインを重視したい人にとって、A7は唯一無二の選択肢だと言えます。
走行性能と静粛性のバランスはむしろ上級
アウディ A7はそのデザインばかりが注目されがちですが、実は「走行性能」と「静粛性」のバランスの良さこそが、オーナーから高く評価されているポイントでもあります。エンジンの力強さ、安定感ある走り、そして車内の静けさ──いずれも価格以上の満足感を与えてくれる、プレミアムセダンならではの実力が光ります。
搭載されている2.0Lターボや3.0L V6ターボエンジンは、必要十分以上のパワーを持ち、高速道路での追い越しやロングドライブも余裕です。私が以前に乗った3.0TFSIモデルでは、滑らかな加速と静かなエンジン音が印象的で、「これなら長距離移動も苦にならない」と素直に思える乗り味でした。
さらに注目すべきは、クワトロ(4WDシステム)の安定性です。雨の日や高速道路でのコーナリングでも、しっかりと路面をつかむような安心感があり、重量のあるボディをものともせずスムーズに加速していきます。これがA7の持つ「重厚だけど軽やか」な走りを支えており、セダンにもクーペにもない独特のドライビングフィールを生み出しています。
そして何より、車内の静粛性はまさに上級クラス。ロードノイズや風切り音が極めて抑えられており、高速巡航時でも音楽や会話を邪魔されることはほとんどありません。特に後期型になるほど静音材の質が向上しており、クラストップレベルの快適性を体感できる一台になっています。
「アウディの走りは控えめ」と言われることもありますが、逆に言えばそれはクセがなく、洗練されているということ。BMWのようなアグレッシブさとは異なり、疲れにくく日常から長距離まで安心して走れるクルマとして、A7の完成度は非常に高いといえます。
このように、A7は“見た目だけ”の車では決してありません。むしろ、走りの質・静けさ・快適性をすべて高いレベルでバランスさせた、隠れた実力派モデル。こうした走行性能の高さこそ、後悔しない理由のひとつになるのではないでしょうか。
中古だからこそコスパ抜群!高級車の“おいしい買い方”
アウディ A7が「安い」と言われる理由の裏側には、中古車としての“おいしさ”が詰まっているとも言えます。新車価格では800万〜1000万円クラスにもなるこの車が、数年落ちで300万円台〜400万円台に落ちるというのは、一見すると「リセールが悪い」とネガティブに映りますが、裏を返せば“手が届く価格で高級車が味わえる”ということでもあります。
そもそも高級輸入車の多くは、新車からの値下がり幅が大きい傾向にあります。特にA7のように流通量が少なく、マニアックなモデルは需要も限られるため、中古価格が市場の評価よりも安くなっていることが多いのです。これを逆手に取れば、新車時と同じ品質・性能を持ちながら、圧倒的にコストを抑えて手に入れることができます。
たとえば、5年落ちのA7でもボディ剛性やインテリアの質感、走行性能に大きな劣化は見られません。アウディは元々、素材と作り込みに定評のあるメーカーであり、経年による安っぽさが出にくいのも魅力です。加えて、オプション装備が充実した中古個体も多く、新車でオプションを盛ったら1000万円近くする仕様が、半額以下で手に入るというケースも珍しくありません。
実際に私が見た中古A7では、バング&オルフセンの3DサウンドシステムやマトリクスLED、バーチャルコックピットなどが標準装備で、まさに「贅沢すぎる内容」が400万円以下という価格で販売されていました。これはもう、“知っている人だけが得をする買い方”だと感じました。
もちろん、年式や距離、保証の有無によって個体差はありますが、認定中古車を選べば保証や整備も安心で、長く乗ることを前提とすれば非常にコスパが高い選択になります。「新車には手が届かないけど、いつかは輸入車に乗ってみたい」と思っていた方には、まさに理想的な一台と言えるでしょう。
アウディ A7は、“新車で買うと高すぎる、でも中古でなら買い得すぎる”という、プレミアムカーならではの楽しみ方ができるモデル。コストを抑えつつ、見た目・走り・質感すべてを楽しみたい人にとって、これほど“おいしい買い方”は他にありません。
向いている人・向かない人の違いとは?
アウディ A7の魅力は十分に理解したうえで、やはり大事なのは「自分に合っているかどうか」です。どんなにスペックが高く、見た目が美しくても、自分の生活スタイルや価値観に合わなければ、結果的に「ちょっと違った」と後悔してしまうかもしれません。ここでは、実際のオーナーや検討者の声をもとに、A7に向いている人・向かない人の違いを明確にしてみましょう。
まず向いているのは、見た目の美しさや個性に価値を見出せる人です。A7は単なる移動手段というより、“持つ喜び”を味わいたい人にこそ響くクルマ。他人と被りにくく、スタイリング重視で選びたい人にとっては、その唯一無二のフォルムが最大の魅力になります。
また、多少の不便や維持費は“こだわりの代償”と割り切れる人にもA7は向いています。たとえば、駐車場が狭くても、リアのヘッドクリアランスが低くても、「それでもこのデザインが好き」と言える人は、オーナーとしての満足度が高くなります。逆に、実用性や使い勝手を最優先に考える人にとっては、小さなストレスが積もって後悔につながる可能性が高いです。
一方で、向かない人の特徴としては、リセールを重視する人、維持費に敏感な人、運転やメンテナンスに手間をかけたくない人が挙げられます。A7は中古で買えば非常にお得ですが、そのぶん長く乗る覚悟や一定のメンテナンス予算は必要になります。ディーラーでの点検や部品交換費用も国産車とは異なり、驚くことがあるかもしれません。
また、日常で車幅や取り回しのしやすさを重視する人には不向きです。A7の全幅は1900mm近くあり、都市部の狭い道や立体駐車場では神経を使う場面も多々あります。「気軽に乗れる車」というよりは、「気分を上げるために乗る車」として考える方がマッチするでしょう。
要するに、A7は“万人受けしない車”です。しかしだからこそ、ライフスタイルや好みにしっかりフィットする人にとっては、これ以上ないほどの満足感を与えてくれる一台です。自分のカーライフに何を求めるか──そこをしっかり見極めたうえで選ぶことが、後悔しない購入につながります。
リセールより“乗り潰す”覚悟で選べば満足度は高い
アウディ A7を購入するうえで、多くの人が気にするのが「リセールバリューが低い」という点です。確かに、新車価格と比べて数年で半額以下になる落差は大きく、投資として見るならば効率の悪い選択と捉えられてしまうかもしれません。しかし、それでもなおA7を選ぶ価値があるのは、“リセールを前提にしない乗り方”をすればこそ得られる満足感が大きいからです。
実際、リセールを最重要視するのであれば、他のドイツ車や一部国産車の方が賢明な選択かもしれません。ですが、A7のようなスタイル特化・快適性重視の車は、長期間にわたって乗り続けることで、その本質的な価値をじっくり味わえるモデルでもあります。
たとえば、新車価格900万円近くのモデルを、認定中古車で400万円以下で購入し、そこから10年近く乗ることを前提とすれば、年間の車両コストは50万円以下に抑えることができます。その上で、プレミアムな内外装、快適な乗り心地、圧倒的なデザイン性を日常的に楽しめるのであれば、それは単なる“所有”ではなく、豊かさの実感そのものになるはずです。
もちろん維持費はそれなりにかかりますし、故障リスクもゼロではありません。ただし、しっかりとメンテナンスされた個体を選び、必要な整備を行えば、10万km以上乗ることも十分に可能です。ドイツ車全般は足回りやエンジンの基本構造が頑丈なことで知られており、「リセールで損をしたくない」という短期的視点を捨てれば、むしろコストパフォーマンスの高い一台になり得ます。
私自身、A7を“使い倒す”という意識で購入したことで、リセールのことを気にすることなく、日々のドライブを純粋に楽しめています。乗るたびに「やっぱりこの車にして良かった」と感じる瞬間がある。それは、高く売るためではなく、乗ること自体に価値を見出したからこそ得られる感覚です。
アウディ A7は、“乗って満足する人”のためのクルマ。リセールにこだわらず、じっくり付き合っていくつもりで選ぶなら、間違いなく後悔のない一台になるでしょう。
まとめ:アウディ A7 安い理由を理解すれば、“買いの一台”にもなる
アウディ A7が「中古で安い」と言われる背景には、不人気説、維持費の懸念、買取相場の低さ、日本市場との相性といった複合的な要素があります。ですが、それは決して「品質が悪い」「乗る価値がない」という意味ではなく、むしろ市場の評価と実際の実力がかみ合っていない“過小評価”のモデルとも言えるでしょう。
確かに、万人向けの実用車とは言えません。全幅が大きく、リアの居住性や取り回しも制限があり、維持費にもある程度の覚悟が必要です。しかし、それを理解した上で選ぶなら、A7はデザイン、走行性能、質感、そして所有する喜びにおいて非常に満足度の高い一台になるはずです。
特に中古市場では、新車時の半額以下で状態の良い個体が手に入るため、「高級車をコスパ良く楽しみたい」という方にとってはまさに“狙い目”。リセールを捨てて長く乗るという選択をすれば、その魅力は何倍にも膨らみます。
重要なのは、「なぜ安いのか?」を正しく理解した上で、「それでも自分にとって価値があるか」を冷静に判断すること。そうすれば、アウディ A7は“安いからやめたほうがいい車”ではなく、“安くて得する一台”として、あなたのカーライフに豊かさを加えてくれることでしょう。